多くのご参加を得て無事終了いたしました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。
後日、当日の写真とご報告を掲載いたします。
近年、これほどまでに市民にくらしの危機感が実感を持って広がっていることはないのではないでしょうか。
生活保護受給世帯は増え続け、過疎化への歯止めはかからず、自殺者数も依然として極めて高い状況となっています。世界的にも経済危機や「アラブの春」以降の不安定な情勢、環境問題や領土問題など、にわかには解決の難しい課題は枚挙にいとまがありません。
この不透明で不確実な社会のなかで、漠然とした将来への不安感が広がっています。政府、政治も方向性を模索して入るものの、明確な方向性を出せずにいます。
こうした状況のなかで、自発的・主体的に課題解決に取り組んでいく動きが市民セクター全体で広がっています。東日本大震災以降も、「任せておけない」「ほうっておけない」と多くの人が自ら行動を始めました。そのなかにはこれまで市民活動に触れたことのなかった人も少なくありません。
日本の市民セクターはいま、分岐点に立っています。この1年半で市民活動の裾野は大きく広がり、期待も高まっています。しかしながら、取り組むべき困難な社会課題も山積しています。
私たちが、その期待に応え、社会課題に立ち向かうためには、市民セクターのこれまでの蓄積を振り返り、時代に合わせて自ら変容をしていくことが求められています。
市民セクター全国会議2012では「自ら動く」「つながって動く」「支えるために動く」の3つをテーマとし、「”動く”を究める」をメインテーマとしました。現代の社会課題解決に向けて、市民一人ひとりが当事者意識を持ってそれぞれが主体的に行動できる社会を作るため、市民 セクターのメンバーである私たちがどう”動く”べきかを考えたいと思います。
皆さまとともに、議論を深めましょう。
日本NPOセンター 代表理事 早瀬 昇
開催概要
開催日時 | 2012年 11月22日(木)13:00~18:00(18:30~懇親会)、23日(金・祝) 9:30~16:30 |
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開催場所 | 日本青年館国際ホール・会議室(東京都新宿区霞ヶ丘町7-1) TEPIAホール(東京都港区北青山2丁目8番44号) ※一部のプログラムのみ |
参加定員 | 300名(先着順) |
申込締切 | 定員になり次第締め切り |
参加費 | 両日参加 12,000円、一日参加7,000円(※宿泊費等は含みません) / 交流会費5,000円 日本NPOセンター正会員 両日参加10,000円、一日参加5,000円 (団体会員の会員価格適用は3名まで。参加申込時のご入会も会員価格で参加いただけます。) |
参加対象 | 社会を変えるために活動している団体、社会がこのままではいけないと思っている団体 社会変革のために活動している団体、民間非営利組織で活動している人および市民セクターに強い関心のある専門家、行政、企業の方 |
主催 | 市民セクター全国会議2012実行委員会、特定非営利活動法人日本NPOセンター |
後援 | 社会福祉法人大阪ボランティア協会、一般社団法人環境パートナーシップ会議、公益社団法人企業メセナ協議会、公益財団法人公益法人協会、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター、公益財団法人助成財団センター、社会福祉法人中央共同募金会、東京商工会議所、東京ボランティア・市民活動センター、公益財団法人日本国際交流センター、公益社団法人日本フィランソロピー協会、特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会、日本労働組合総連合会(連合)、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)、1%(ワンパーセント)クラブ |
構成
11月22日
13:00~14:45 オープニング 「”動く”を究める~不確実な時代を自ら切り拓く市民セクター」
不確実な、ゆれうごく社会の中、市民一人ひとりに出番がきています。このような状況においては、自ら主体的に動くことこそが展望を拓く近道ではないでしょうか。市民セクターで活躍する団体には、これまでの活動スタイルからさらに一歩踏み込み、新たな層を巻き込んで、新たなつながりを作りながら、活動することが求められています。そうした活動が継続して取り組まれるよう、ネットワーキングを仕掛けたり、作られた制度が形骸化しないように資源を循環させることも重要です。現代の社会課題解決に向けて、市民一人ひとりが当事者意識を持って主体的に行動できる社会を作るため、市民セクターのメンバーである私たちがどう”動く”べきか。オープニングでは分科会に先立ち、3つのテーマに基づいて問題提起します。
登壇者:
菅野 正寿さん(特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク 理事長)
長 有紀枝さん(特定非営利活動法人難民を助ける会 理事長)
清水 康之さん(特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク 代表)
コーディネーター:
早瀬 昇(特定非営利活動法人日本NPOセンター)
15:00~18:00 分科会
A.自ら動く ~当事者性と波及~ | B.つながって動く ~連携と変容~ | C.支えるために動く ~継続と循環~ | |
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14:45~17:45 セッション1 「震災支援の事例から学ぶ」 | A-1 見えない中で生活を拓く | B-1 「つながる」を循環させる | C-1 支え合う仕組みを作る |
11月23日
9:30~15:00 分科会
9:30~12:00 セッション2 「日常的な取り組みから学ぶ」 | A-2 事業と共感で社会を拓く | B-2 地域ぐるみでよりそう | C-2 共感と資金循環で支える |
13:00~15:00 セッション3 「これからを見据えて議論する」 | A-3 自ら動き共感を拓く | B-3 「つながる」ための7か条を探る | C-3 支える組織のあり方を考える |
15:30~16:30 クロージング
進行:
田尻 佳史(特定非営利活動法人日本NPOセンター 常務理事・事務局長)
コメンテーター:
今田 克司さん(一般財団法人CSOネットワーク)
渋澤 健さん(公益財団法人日本国際交流センター 理事長)
分科会登壇者
分科会A.自ら動く ~当事者性と波及~
【A-1(震災支援の事例から学ぶ):見えない中で生活を拓く】
今回の3.11 東日本大震災は、日本にかつて経験したことがない大規模な被害をもたらし、原発事故もあいまって私たちの生活に大きな影響を与えました。行政の対応がたち遅れ、専門家の様々な判断がある中、市民は、各自の判断で、試行錯誤をしながら、自分の生活を守るしかありませんでした。先行きが見えない市民生活を送る中で、何を考え、行動し、仲間を募り、自分たちの地域のために活動を展開していったのでしょうか?本分科会では、福島県、千葉県において活動された実践者の報告を受け、その現状、課題を通して、災害時に自ら動く中で、そして自ら動く仲間をつくっていく中で、生活をどう切り拓き、守っていったのか、そのための活動をどう組み立てていったのかを浮き彫りにしていきます。また、現在、そして、今後にむけての展望もお伺いします。
【論点】
- 行動を起こすまでの混乱、課題は何だったのか。
- 行政、専門家との連携において課題は。
- 自ら動く中で、どう共感を広げていったのか。
- 日常と非日常が交差する中で、重要なことは。
- 生活の先行きが見えない中で、自ら動くことにより、何が見えてきたのか。
登壇者
川田 晃大さん(つながろう柏!明るい未来プロジェクト)
近藤 能之さん(走れ南相馬 代表/みんな共和国 実行委員)
コーディネーター
市川 斉さん(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 事務局次長)
【A-2(日常的な取り組みから学ぶ):事業と共感で社会を拓く】
市民セクターのリーダーは、自ら社会課題に当事者性の意識を持ち、その課題を解決するために地域社会を拓いてきました。しかし、強いリーダーシップやそのリーダー個人のキャラクターや力量だけに頼っている場合、団体の持続性がなく、当初掲げていたミッションを失ってしまうこともあります。自らが動き、持続可能な団体運営を行い、目的を達成するためには、多くの人たちの共感のもとに寄付やボランティア参加を広げていくことや、社会に必要な事業を展開していくことが重要になっていきます。リーダーの想いが、周りの人をどう巻き込み、それがどう組織化されるか、そこからどう持続可能な組織に育て、社会に必要な事業を展開し続けられるかについて、検討をしていきます。
【論点】
- 市民セクターのリーダーシップとは。
- 当事者性のある共感や参加を広げていくためには。
- 自ら動いたあとの、組織や事業のあるべき姿とは。
登壇者:
岩切 準さん(特定非営利活動法人夢職人 代表理事)
宮嶋 望さん(特定非営利活動法人共働学舎 副理事長)
コーディネーター:
萩原 なつ子(特定非営利活動法人日本NPOセンター 副代表理事)
【A-3(これからを見据えて議論する):自ら動き共感を拓く】
「自分の暮らしは自分でよくする」。震災復興をいつまでも外部者に頼らないようにするために、また、自らの地域課題を解決するためになど、さまざまな理由で「自ら動く」市民が確実に増えてきています。最初はひとりから始まった活動でも、継続性を担保するためには、組織運営や事業開発など、さまざまなキャパシティが必要となり、そのためにも活動に共感してもらう「仲間」づくりがたいせつとなります。本分科会では、「当事者性」「主体性」などをキーワードに、自ら動くのパートを企画してきた登壇者や実行委員を論者として、参加される方々との議論を中心に展開します。論客の方々、ぜひご参加ください。
【論点】
- 社会課題に対する当事者性をどう発揮するか。
- 独りよがりにならない活動~どう共感を生むか。
- 一過性にとどまらない活動の工夫(特に震災関連の活動)。
市川 斉さん(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 事務局次長)
城 達也さん(手織工房じょうた)
沖本 由季さん(柏市/日本NPOセンターボランティアスタッフ)
萩原 なつ子(特定非営利活動法人日本NPOセンター 副代表理事)
分科会B.つながって動く ~連携と変容~
【B-1(震災支援の事例から学ぶ):「つながる」を循環させる】
地域の災害への対応力や被災者の支援力を高めるには、それぞれの立場で地域課題の解決に取り組む多種異質な組織が、日頃から情報を交換してお互いの指向性や強みと限界を理解すること、災害時の連携のあり方や役割分担を想定したしくみづくりや人材育成に取り組むことが必要となります。さらには、 災害時の連携を日常へとつなぎ、一人ひとりの「命」と「暮らし」を守れる地域づくりに活かしていくことも重要です。「被災者・広域避難者支援」 で連携するネットワーク組織の事例を紐解きながら、解決すべき課題を中心に据えた連携のあり方を探ります。
【論点】
- 被災者支援活動において連携する意味や効果は何か。
- つながって動くことがきっかけとなって、自らの組織や関係者が変容しているか。
- 日頃からどのような準備をしておくべきか。日頃の活動にどう生かされるか。
- 効果的な連携のためには何が必要か。阻害要因は何か。
登壇者:
向井 忍さん(愛知県被災者支援センター/生活協同組合コープあいち 参与)
長沢 恵美子さん(災害ボランティア活動支援プロジェクト会議/1%クラブ コーディネーター)
コーディネーター:
永井 美佳さん(社会福祉法人大阪ボランティア協会 事務局次長)
【B-2(日常的な取り組みから学ぶ):地域ぐるみでよりそう】
複雑化し、多様化する地域の課題を解決するためには、一つの組織の取り組みだけでは限界があり、市民セクター内外の様々な組織が連携し、まさに「 地域ぐるみで」取り組む必要があります。高島市社会福祉協議会は自治会や生協なども巻き込み、要援護者を見守るネットワークを構築しています。フードバンク山梨は自治体や企業などと連携し「食のセーフティネット」を構築しています。本分科会では、課題解決を中心に考えてみればおのずと見えてくる、様々なステークホルダーが連携して、まさに地域ぐるみで課題解決に取り組む意義や方法について事例から考えます。
【論点】
- 課題解決のために効果的なつながりをどうデザインするか。
- 地域内の多様な主体とつながりを巻き込むために必要なプロセスとは。
- つながりが生む効果とは。
登壇者:
井岡 仁志さん(社会福祉法人 高島市社会福祉協議会地域支援課 課長 兼高島市ボランティア・福祉学習センター長)
米山 けい子さん(特定非営利活動法人 フードバンク山梨 理事長)
コーディネーター:
古賀 桃子さん(特定非営利活動法人ふくおかNPOセンター 代表)
【B-3(これからを見据えて議論する):「つながる」ための7か条を探る】
マルチステークホルダー型の連携、パートナーシップといった言葉がしばしば聞かれますが、その実現は容易ではありません。本分科会では、前の2 つの分科会 での議論を踏まえ、また参加者の間で体験談(成功、失敗)を共有しながら、連携を可能とする組織(企画、実施、人事、予算、等)、制度、資金のあり方について議論し、そこからより効果的な連携を実現するための7か条を探ります。
【論点】
- どのような時に「つながる」ことが求められるか。
- 組織のミッションや流儀の違いを越えて、相互補完的な分業体制を構築する秘訣は何か。
- 外の組織との連携を通じて、新たな事業を展開していくきっかけは何か。
- 対外的な説明責任を果たしつつ、組織を越えた活動を促すガバナンスのあり方とは。
- 「つながる」ことを促す資金のあり方とは。
登壇者:
永井 美佳さん(社会福祉法人大阪ボランティア協会 事務局次長)
古賀 桃子さん(特定非営利活動法人ふくおかNPOセンター 代表)
鹿住 貴之さん(特定非営利活動法人JUON(樹恩)ネットワーク)
鈴木 智子さん(公益財団法人日本国際交流センター)
長沢 恵美子さん(1%クラブ コーディネーター)
分科会C.支えるために動く ~継続と循環~
【C-1(震災支援の事例から学ぶ):支え合う仕組みを作る】
一日でも早い復興を願い、さまざまに活動をしている個人の方がおり、その個人の力が活きるようにNPO( 市民活動団体)が活動し、そのNPO( 市民活動団体)の力が活きるように、活動しているNPO( 市民活動団体)があります。様々な支援が行われる中で、支える仕組みがあったことによってNPOが活き活きと活動をできた3つの支える動きを紹介し、今、改めてNPO の役割や支える効果を皆さんと一緒に考えます。
【論点】
- NPOが支えた意味とは。
- 長期的な視点と柔軟性とは。
- 仕組みを維持するための資金課題をどう解決するか。
- 政策提言の強みが発揮できる仕組みとは。
- 今後のNPOセクターと政府や行政との関係をどう考えるか。
登壇者:
栗田 暢之さん(東日本大震災支援全国ネットワーク 代表世話人/特定非営利活動法人 レスキュー・ストックヤード 代表理事)
片山 信彦さん(特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 常務理事・事務局長)
コーディネーター:
鹿野 順一さん(特定非営利活動法人いわて連携復興センター 代表理事/特定非営利活動法人@リアスNPOサポートセンター 代表理事)
【C-2(日常的な取り組みから学ぶ):共感と資金循環で支える】
市民活動団体の課題として、常に上位に挙げられる資金課題。この資金課題に市民自らの知恵と資金で行おうという動きが、活発化しています。この動きは、震災以前からもずいぶんと議論されています。しかしながら、集めるための議論に多くの時間が注がれ、入口から出口そして循環まで全体のデザインを議論されることが少ないように感じています。この分科会では、戦後に作られた仕組みを地域の実情や実態把握して果敢に改革に取り組んでいる広島県共同募金会と、NPO支援センターとしてNPOの資金循環に積極的に取り組んでいる北海道NPOサポートセンターの事例をもとに、「共感」と「参加」(「出し手と受け手のWin-Win」)をどのようにデザインし、実行されているのか伺ったうえで、皆さんと議論を深めます。
【論点】
- 個々のNPO自身が、資金デザインを描けるような展開を考える( NPOと寄付者【出資者】とのWin-Winの関係をどうデザインできるか?)。
- 理念から仕組みに落とし込むときに陥りがちな課題について考える。
- いろいろな手法、いろいろなやり方、いろいろな智恵(Tips)を事例で進めつつ、根幹にある「共感」と「参加」の視点を大切に議論を進める。
登壇者:
吉実 正博さん(社会福祉法人広島県共同募金会 常務理事)
北村 美恵子さん(特定非営利活動法人北海道NPOサポートセンター 理事)
コーディネーター:
林 大介さん(特定非営利活動法人日本子どもNPOセンター 理事)
【C-3(これからを見据えて議論する):支える組織のあり方を考える】
自ら動く市民がつながり、その市民を支えるための市民セクターの役割がますます重要視されています。しかしながら、市民セクターを支える組織同士の連携がなかなか有効に機能していないのではないでしょうか?ヒエラルキー型でない組織だからこそ、多様性が認められやすい環境ですが、それゆえ、何かを決定し一つに絞り込むことには、多大なエネルギーとコストが生じてしまいます。この分科会では、支えるための組織のこれからを、大きくとらえ、参加の皆様とともに議論を展開したいと考えています。
【論点】
- 市民セクターを支える役割を担っている組織同士の連携のあるべき姿とは。
- 市民セクターのリーダー像とは。
- 支える組織の資金源のあるべき姿とは。
- 多様化する地域課題との向き合い方とは。
- 多様化し、個別化する市民(消費者)との向き合い方とは
実行委員一覧
(敬称略・50音順)
阿部 陽一郎(社会福祉法人中央共同募金会)
市川 斉(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会)
上田 英司(特定非営利活動法人NICE)
沖本 由季(柏市)
鹿住 貴之(特定非営利活動法人JUON(樹恩)NETWORK)
黒田 かをり(一般財団法人CSOネットワーク)
城 達也(手織工房Jota)
鈴木 智子(公益財団法人日本国際交流センター)
田尻 佳史(特定非営利活動法人日本NPOセンター)
林 大介(特定非営利活動法人日本子どもNPOセンター)