2010年には、政府が施策として進めている「新しい公共支援事業」により、多様な担い手の連携により地域課題を解決することが力強く推進され、また、震災を機に、これまでの「日本に寄付文化が育たないのは、税制の後押しがないことも原因の一つだ」とされてきた定説が大きく揺さぶられる、税制改革がなされました。
このように制度が大きく変化する中で、地域の課題が解決するまで根気よく課題と向き合い、好循環に導くために、NPOや行政は、仕組みを整えるだけにとどまらず、どのように対応していくのか?参加者のみなさんと知恵を学び合い、改めて考える機会としてフォーラムを開催したいと思います。
ぜひ、ご参加ください。
日時: | 2012年2月23日(木)10:30~17:00 | |
会場: | かながわ県民センター (横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 ※JR横浜駅きた西口から徒歩5分) |
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主催: | 認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター | |
協力: | かながわ県民活動サポートセンター | |
対象: | 行政職員、NPO支援組織関係者、NPOや地域活動に関わっている方 等 | |
定員: | 200名(先着順。定員になり次第、締め切ります) | |
参加費: | 5,000円(日本NPOセンター正会員は3,500円) ※参加費は会場費や資料代等。参加費に昼食代は含まれません。 |
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お申込み: | お申込みページから必要事項をご登録ください。 参加費の支払方法等は参加決定通知とともに送付いたします。 |
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プログラム: | 10:30~12:00 基調鼎談 13:15~17:00 分科会 |
※時間・内容について、変更になる場合があります。
10:30~12:00 基調鼎談
「新しい公共」の基盤を改めて考える
「新しい公共支援事業」が大きく展開される中で、改めてNPOの活動基盤が問われています。モデル事業を提案し実践するにしても、寄付文化を市民から醸成するにしても、NPOの活動の基盤が脆弱では立ち行きません。
実感を伴って「公共」の概念が大きく変わろうとする中、改めてNPOや行政はどのような取り組みや意識改革が必要とされているのか。行政が支える公共と民間が支える公共とはどのような違いがあるのかを改めて考えると同時に、「地域」に焦点をあて、今後のNPOと行政のかかわりのあり方について考える機会とします。
■基調鼎談者
- 内山 節さん
[哲学者]
1950年東京都出身。1970 年代から東京と群馬の二重生活を続ける。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授、東京大学大学院人文社会系研究所兼任講師などを歴任。現在、立教大学21世紀社会デザイン研究科教授、特定非営利活動法人「森づくりフォーラム」代表理事など。『文明の災禍』(2011年9月、新潮新書) - 椎川 忍さん
[総務省 自治財政局長]
[前総務省 地域力創造審議官(初代)/元自治大学校長(第43代)]
1953年生 まれ。秋田県出身。四日市高校から東京大学法学部卒業。総務省財政課長、内閣府・総務省の官房審議官、自治大学校長、地域力創造審議官(初代)など。県勤務は、埼玉、香川、宮崎(財 政課長)、島根(総務部長)。地域に飛び出す公務員ネットワーク代表、NPO法人大山中海観光推進機構理事、国際日本文化研究センター共同研究員など。『緑の分権改革~あるものを生かす地域力創造』(2011年11月、学芸出版社)共著に『地域旅で地域力創造~観光振興とIT活用のポイント』(2011年4月、学芸出版社) - 萩原 なつ子
[特定非営利活動法人 日本NPOセンター 常務理事]
1956年山梨県出身。お茶の水女子大学大学院修了(学術博士)。(財)トヨタ財団アソシエイト・プログラム・オフィサー、東横学園女子短期大学助教授、宮城県環境生活部次長、武蔵工業大学環境情報学部助教授を経て、2006年4月より立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科准教授、2008年より同教授。専門は環境社会学、ジェンダー研究、市民活動論。2004年7月より常務理事。『市民による知の創造と発展』(2019年1月、東信堂)
13:15~17:00 分科会
分科会1 ~制度面から~
新しいNPO支援税制は地域に根付くか?―4号指定から見える地域主権とNPO・行政の役割―
NPO法人に税制優遇を与える認定NPO法人制度が、2011年6月に抜本改正されました。
この改正では、地方税における寄付金控除の対象とするNPO法人を地方自治体が条例で指定することでき、指定された法人は認定の要件である「パブリックサポート・テスト」を免除されることになります。また、所得税の税額控除制度も導入されました。地域住民が地元で活動を展開する認定NPO 法人に寄付をすると、その40%まで国税である所得税が減免されることになります。言い換えれば、地域資源を地域で環流することが可能だともいえます。
今回の改正は、地方分権の観点からも非常に大きな意味を持つ、画期的なものです。
この法改正に関連する条例制定に、いち早く取り組まれた自治体の方から、具体的な事例を伺い、地域に根付く制度改正の進め方について考える機会とします。
■情報提供者
- 井出 博晶さん
神奈川県県民局NPO協働推進課 NPO支援グループ 副主幹 - 関口 宏聡さん
特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 プログラムディレクター
■コーディネーター
- 吉田 建治
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター 情報部門主任
分科会2 ~取り組みから~
全国に紹介したい!新しい公共の場づくりのためのモデル事業
新しい公共支援事業のメイン事業の1つである「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」。各県の市町村をベースに、多様なステークホルダーが連携して課題の解決に取り組むことを目指した実験的な事業です。地域の多様な課題に対して、行政やNPOが単独で取り組むのではなく、違った立場や特性を持つ複数の団体が協議・連携して解決を目指す。まさに今後の地域に欠かせない手法によるものです。今回の分科会では、連携することの意味や効果について事例を通じて考える機会とします。
■情報提供者
- 蓮本 高啓さん
特定非営利活動法人キッズタウンおおむら 代表理事
大村市障がい者施設商品ブランド化推進委員会 委員長
事業名:障がい者施設商品ブランド化事業 - 山口 庫幸さん
一般社団法人あがのがわ環境学舎 事務局長
阿賀野川エコミュージアム構想推進協議会
事業名:「公害の経験を乗り越える阿賀野川エコミュージアム構想」流域再生プロジェクト
■コーディネーター
- 田尻佳史
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター 常務理事・事務局長
分科会3 ~資金面から~
市民ファンドが地域で活きるとは?
―マルチステークスホルダープロセスによる意思決定時代の「資金」について考える―
市民社会の新しい価値を創造し、さまざまな社会課題を解決するため、市民が主体となって運営し、市民から寄付を集め、市民活動に助成をおこなう「市民ファンド」が、10年以上前より、全国各地で設立されるようになりました。また、新しい公共支援事業においては、寄付募集支援事業が事業メニューとして挙げられており、ほとんどの都道府県で寄付募集に関する事業が取り組まれています。今回は、「市民ファンド」に焦点を絞り、新しい公共の時代にふさわしい「資金」のあり方について、事例を通じて考える機会とします。
■情報提供者
- 坂本憲治さん
特定非営利活動法人市民社会創造ファンド 事務局長
市民ファンド推進連絡会 事務局 - 小阪 亘さん
特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく 理事長
公益財団法人みらいファンド 沖縄代表理事
■情報提供およびコーディネーター
- 三澤 章さん
特定非営利活動法人あおもりNPOサポートセンター 常務理事・事務局長