2003年12月には、NPO法施行5周年記念日でした。この日「NPO/NGO税・法人制度改革連絡会」は、東京で記念集会を開きました。
その内容は、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会のホームページに紹介されていますが、ここでは日本NPOセンター常務理事 山岡の報告内容について、そのレジュメを採録する形で紹介します
NPO法施行5年
市民活動は何を生み出したか-これからどこへ向かうのか-
日本NPOセンター常務理事 山 岡 義 典
1.改めてNPO法の意義を考える
(「NPO法施行5周年記念シンポジウム(2003年12月1日)」山岡報告より)
(1) (直接的意義) 市民活動団体などの民間非営利組織が官庁の枠組みとは関係なく簡便に非営利目的の法人格を取得することができるようにしたことで、運動性と事業性を兼ね備えた先駆的でかつ弾力的な民間非営利活動を促進したこと
(2) (社会的意義) 市民の行う自由な社会貢献活動=市民活動が今後の日本社会で重要な意義をもつことを制度として確認し、一般に広く啓発することを通して新たな社会的な動きをつくりだしたこと。
(3) (制度的意義) 非営利法人制度のあるべき姿につい幅広い議論を展開することを通して従来の硬直した各種の非営利法人制度に風穴をあけ、それらの見直しの動きに先鞭をつけたこと
(4) (立法的意義) 市民の側からの問題提起をもとに国会議員が党派を超えて真剣にとりくめば新たな社会制度を創ることができるという実績を作ったことで、その後の市民発の立法プロセスに現実性と勇気を与えたこと。
以上の点を再確認するとともに、それらの意義を風化させることなく、またそれらの意義を逆手に取るような動きをしっかりと監視していくこと。