日本NPOセンターは、公益法人協会と共同で非営利法人格選択に関する実態調査委員会を組織し、トヨタ財団の助成を受けて2014年度に「非営利法人格選択に関する実態調査」を実施しました。その際の懸案について、継続調査を行った結果をこのたび、報告書として取りまとめましたのでここに公開します。
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なお、2014年度の調査も以下からダウンロードできます。
2014年度報告書全文をダウンロード(PDF140ページ: 4.4Mb)
はじめに
本報告書は、公益財団法人公益法人協会と認定特定非営利活動法人日本NPOセンターが共同で実施した「非営利法人格選択に関する実態調査(継続調査)」の成果をとりまとめたものである。2006年5月に公益法人制度改革関連3法が成立し、2008年12月に施行され、従来からある公益法人(特定民法法人)については5年後の2013 年11月30日に新制度への移行期間が完了した。しかし、新しく設立する一般社団法人と一般財団法人(以下、一般法人)については、所轄庁の認証を受けることが必要な特定非営利活動法人とは異なり、行政庁の関与がなく公証人役場で定款の認証を受けて法務局で登記すれば足りるために、その設立の実態は十分な把握ができていない。また、一般法人については、行政やNPO支援機関などの支援や連携の対象から取り残されることも少なくない。
こうした状況を踏まえて2014年度に、1.一般法人及び特定非営利活動法人の選択に関する実態を把握すること、2.一般法人及び特定非営利活動法人に対する支援や連携のあり方を検討すること、3.今後の非営利法人制度のあり方や改善などを検討するための基礎資料とすることを目的として調査を実施した。しかしながら、調査実施前における議論から想定した仮説の多くが、支持できない、あるいは明確な検証ができなかった。
そのため継続的な取り組みとして今回は、2014年度調査では十分に把握することができなかった、1.法人選択と認定選択(公益法人、認定特定非営利活動法人)の関係を把握すること、2.新設の公益法人および認定特定非営利活動法人の数が新設の一般法人および特定非営利活動法人の総数に比べて極めて少ない状況にある理由を明らかにし、公益法人および認定特定非営利活動法人を増やしていくための方策を検討すること、3.非営利法人について、行政や中間支援組織、企業や助成財団等の支援サイドがどのような認識を有しているのかを把握すること、4.調査結果をもとに、日本の非営利セクターを支える2つの法人制度のより良いあり方について政策提言を行うことを目的として、継続調査を実施した。
なお、本調査は「トヨタ財団2015年度イニシアチブプログラム」として実施したものである。
この調査報告書が、今後の非営利法人制度のあり方とその方向性を検討していく上で有用な資料となり、非営利セクターの強化の一助になれば幸いである。
最後に、この調査を進めるに当たって、ご協力をいただいた全ての皆様に心から感謝を申し上げる次第である。
2017年2月
非営利法人格選択に関する実態調査委員会