本日10:00から開催された参議院本会議で、NPO法改正案が審議され、全会一致で可決されました。
これにより改正NPO法が成立。2012年4月から施行されます。
また同日、衆議院財務金融委員会で税制改正法案が可決され、認定NPO法人等への寄付金に対する税額控除の導入などの税制優遇拡充についても一歩前進をしています。
今回のNPO法改正のポイントは以下の通り。
●特定非営利活動法人(NPO法人)制度の改正
・NPO法人の活動分野に「観光の振興を図る活動」「農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動」「都道府県・政令市の条例で定める活動」3分野追加する
・内閣府の認証事務をなくし、認証は主たる事務所の都道府県・政令市に移管する
・会計書類を「収支計算書」から「活動計算書」に名称変更する
・解散公告回数を削減し、届出事項を追加するなど認証の柔軟化・簡素化を行う
●認定NPO法人制度の改正
・認定NPO法人制度をNPO法に盛り込む
・認定機関を国税庁から都道府県・政令市へ移管する
・パブリック・サポート・テスト(PST)が免除される「仮認定制度」を導入する
・インターネットを通じた情報開示を進める
なお、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会では以下の声明を発表しました。
本日のNPO法改正案の成立を大いに歓迎します。
新しい寄付税制(寄附金税額控除等)の一刻も早い実現を求めます。
●今回の画期的なNPO法改正案の成立を大いに歓迎します
本日、6月15日午前の参議院本会議にて、「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案(NPO法改正案)」が成立しました。
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(NPO/NGO連絡会)は、今回の画期的な改正案成立を大いに歓迎します。超党派NPO議員連盟をはじめ、関係者のご尽力に心より感謝申し上げます。
今回のNPO法改正案は、1998年に制定されたNPO法を抜本的に改正するものです。現在、NPO法人は全国で4万2千強の法人が活躍しています。しかし、寄付優遇税制の対象となる認定NPO法人はわずか215法人(全体の0.5%)だけです。認定NPO法人については、東京都に半数近くが集中する一方、一つも存在しない「認定NPO法人空白県」が15県あるなど偏りもありました。
また、東日本大震災の支援では、多くの国民が寄付を行い、義援金と違い即効性のあるNPO活動支援金に対する関心は高まっていますが、多くのNPO法人が税制優遇の無い状態で今後の支援の継続性に、現場から不安の声があがっています。
このような現状を受けて、NPO法改正案では、以下のような改正が盛り込まれています。
・認定機関(現行:国税庁)を、より身近な都道府県・政令市へ移管(→認定相談・受付が簡易に)
・寄付集めのスタートアップを支援する「仮認定制度」を導入(→認定要件の大幅な緩和)
・NPO法人の財務状況を明確にする「NPO法人会計基準」を採用(→財務情報の公開で信頼性向上)
これにより、地方をはじめ、認定NPO法人の大幅な拡大が期待できます。さらに、寄付金使途などについて、より信頼性・透明性の高い会計報告も可能になります。国民に、より一層支え合い・助け合いの寄付が広がり、東日本の復興さらには、日本全体の寄付文化を促進する重要な礎となると期待しています。
●新しい寄付税制(寄附金税額控除等)の一刻も早い実現を求めます
一方、NPO法改正と一体となる新寄付税制(寄附金税額控除等)が盛り込まれた税制改正法案は、未だ成立しておらず、衆議院にて審議中です。この税制改正法案が成立しなければ、今回のNPO法改正の効果が充分に発揮されないことから、今国会での一刻も早い実現を強く求めます。
NPO/NGO連絡会は、全国の市民やNPOが、新しい制度・税制を活用して、より一層の社会貢献活動に取り組めるよう、これからも全力で取り組んでまいります。
2011年6月15日
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
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