【募集】2024年度 ともしび・NPOスクール「連携・協働コース」


2024年度 連続講座「NPOスクール」連携・協働コース 概要

 市民社会の目指してきた一つの姿は、市民が主役となって行政や企業と新たな関係を構築することでした。そして今日、課題解決や地域づくりへ向けた活動をすすめる中で多様な主体が連携し協働することは珍しくなくなりました。その際の「なぜ連携・協働するのか?」、そして「どうすれば連携・協働が上手くいくのか?」という問いはつきものです。
 また、暮らしの中ではきめ細かな支援や対策が求められる一方、課題が重なり複合的な状態にある人も少なくありません。そして、連携・協働の先にある地域の姿や社会像をともにえがき実現する過程には、各主体の関係性や対話・コミュニケーションなどいくつもの実践的課題があります。
 このコースは「連携・協働」をキーワードに、その考え方・基礎知識から自治体リーダーの展望、最先端の課題を通して考える協働のあり方、その先にある「市民自治社会」についてなど、知っておくべきことや手法のヒントについて学ぶ連続講座です。

多彩な講座やゼミから自由に選んで参加することができます!
受講生は問題意識や関心に沿って「市民社会」「連携・協働」「NPO支援」に関する3つのコース全18講座から自由に選んで参加することができます。また、講座の内容は一定期間アーカイブで共有し、学びたいときにいつでも学ぶことができます(各回の単発参加者は除く)。
例えば…
ともしびこさん:市民社会コース第1回~6回、連携・協働コース第1回、NPO支援コース第4回、5回を履修
ともしろうさん:市民社会コース第1回、連携・協働コース第1回~6回、NPO支援コース第1回を履修
最大18講座を受講でき、4回以上の受講は各回の単発参加よりメンバーとして参加した方がお得に受講することができます!


第1回【特別講義】自治体リーダーと語る協働のこれから

日 程:2024年7月29日(月)13:30~16:00
会 場:鎌倉市内ならびにオンライン(Zoom)
    鎌倉芸術館 3F 会議室(〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船6-1-2)
定 員:会場50人、オンライン50人 合計100人程度

 一人ひとりがその人らしく生きていける社会をつくること。そして、そのために一人ひとりが自由に活動・参加し、つながり、協力し合えることは今後の地域や社会を考えるうえで欠かせない視点です。市民活動を街の強みとしてNPOや多様な主体との協働を推進する神奈川県・鎌倉市では「共生社会の実現を目指す条例」や「つながる鎌倉条例」に基づき、多彩な市民活動を起点にした街づくりを展開しています。その想いや今後の展望について、市長にうかがいます。

松尾 崇(まつお たかし)さん
神奈川県 鎌倉市長

昭和48年9月神奈川県鎌倉市生まれ。日本大学経済学部卒業後、日本通運株式会社入社。平成13年鎌倉市議会議員初当選、平成19年神奈川県議会議員初当選ののち、平成21年11月鎌倉市長に就任し、現在4期目。選挙時に、市民や医療福祉の専門家と一緒に作成した福祉医療に特化したマニフェストを掲げ、「鎌倉市共生社会の実現を目指す条例」の制定や「障害者2千人雇用事業」等を進める。また県内で初めて、フリースクールの経費一部補助や放課後等デイサービスの無償化を実施。令和7年度には、全国初となる分校型の「学びの多様化学校(不登校特例校)」を設置予定。誰もが自分らしく安心して暮らすことのできる「共生社会」を市民や団体、事業者等と共創しながら、持続可能なまちづくりに取り組んでいる。座右の銘は「温故知新」。


第2回 そうだったのか!協働の考え方・基礎知識

日 程:2024年8月6日(火)13:30~15:30
会 場:オンライン(Zoom)

 「協働」という言葉は聞いたことがあっても、その意味や意義を問われると言葉に詰まってしまいませんか。NPOと行政との協働をはじめとして多様な主体との協働が重要視されている今だからこそ、協働の考え方について再確認していく必要が生まれています。協働の考え方や基礎知識について、あらためて一緒に学びましょう。

椎野 修平(しいの しゅうへい)
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター 特別研究員

神奈川県庁にて税務、国際交流、児童福祉、広報、商工部局などの業務を担当。1996年4月に全国に先駆けて開設された「かながわ県民活動サポートセンター」に10年間勤務し、市民活動やNPOの支援に取り組む。この間に「かながわボランタリー活動推進基金21」の設立に関わり、NPOと行政の協働事業への資金提供の仕組みを構築。退職後に経済団体で中小企業の経営支援や商店街振興などに携わった後、2012年4月より現職。


第3回 最先端の課題を通して考える協働「女性支援新法」

日 程:2024年9月3日(火)13:30~15:30
会 場:オンライン(Zoom)

 2024年4月、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行されました。新しい法律や制度が動くとき、協働は必要不可欠な要素となりつつあります。そして、地域の中にはすでに先駆的にすすめている実践があります。
 その一つとして、長崎県では2010年代からNPOとの協働でDV被害による避難後の中長期の支援や子どもへの早期からのDV防止教育などを展開しています。NPO側のキーパーソンにどのような思いで協働をすすめ、実践的課題などについてお話をうかがいます。

中田 慶子(なかた けいこ)さん
特定非営利活動法人 DV防止ながさき 理事長
特定非営利活動法人デートDV防止全国ネットワーク 代表理事

大学で心理学専攻の後、東京都の福祉施設に心理職として常勤、非常勤で勤務。ノルウェー滞在や東京都府中市市議を経験後、2002年に有志でDV防止ながさき設立。翌2003年に法人化し理事長に就任。
2004年から若い世代へのデートDV予防教育をスタート。現在は県内で年間90校前後の中高校生へ出前授業を実施。2012年からは長崎県の委託事業としてDV被害者の中長期支援事業を実施。2021年よりデートDV防止全国ネットワーク代表理事。
DV防止ながさきが作成した冊子類には、中高校生のための予防教育テキスト「新版すぐに役立つデートDV防止教育テキスト」、中高校生用啓発ハンドブック「あなたと私の心とからだを大切にするために」、DVで避難してきた子どものための心理教育テキスト「私の青いノート」などがある。


第4回 最先端の課題を通して考える協働「ヤングケアラー」

日 程:2024年9月24日(火)13:30~15:30
会 場:オンライン(Zoom)

 地域課題の実態把握はどのような活動や協働においても一番の根拠となるものです。埼玉県では2020年3月に全国初となる「埼玉県ケアラー支援条例」を施行し、ヤングケアラーについての実態把握も全国に先駆けて試みました。
最先端の課題を捉える背景に市民側ではどのような動きがあったのか、そして、どのように協働をすすめようとしているのか、課題となっているのかについてお話をうかがいます。

堀越 栄子(ほりこし えいこ)さん
一般社団法人 日本ケアラー連盟 代表理事
日本女子大学名誉教授

認定特定非営利活動法人さいたまNPOセンター 代表理事

日本女子大学在職中は教育研究に携わりながら、1980年代から「おおみや・市民の会」の活動に参加。1997年に「NPO法人さいたまNPOセンター」の設立に関わり、2017年より代表理事として市民活動やNPO活動を支援している。2010年には「ケアラーを社会で支えるしくみを作ろう」と日本ケアラー連盟の設立に加わり、以来、全国2万世帯のケアラー実態調査や自治体でのヤングケアラー実態調査、国や自治体への政策提言、埼玉県ケアラー支援条例やさいたま市ケアラー支援条例制定への働きかけ等を積極的に行うとともに、自治体や関係機関職員・市民・生徒や大学生等へのケアラー・ヤングケアラー支援研修を担っている。専門は生活経済・生活経営。さいたま市在住。


第5回 最先端の課題を通して考える協働「孤独・孤立対策」

日 程:2024年10月15日(火)13:30~15:30
会 場:オンライン(Zoom)

 深刻化する社会的な孤独・孤立の問題について、総合的な対策を推進するための制度が動き始めました。地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォームでは、自治体において官・民・NPO等の関係者の連携をすすめ、孤独・孤立対策に取り組む活動を支援する動きがあります。北海道では、道内各地でのプラットフォーム形成のあり方を検討してきました。
道内の官民連携プラットフォームへの参画に加え、政府の「孤独・孤立対策活動基盤整備モデル調査」採択団体にも選ばれているNPO支援組織とともに、今後の協働的展望や課題についてお話をうかがいます。

中西 希恵(なかにし きえ)さん
特定非営利活動法人北海道NPOサポートセンター 理事

大学卒業後、NPO法人北海道NPOサポートセンターに入職。連携団体である市民ファンド、市民バンクなどの事務局に携わりながら、道内のNPO等に対し、領収証の整理・会計ソフトへの入力など日常的な会計サポートから決算書作成サポート、電話・訪問相談対応、月に一度の会計講座の実施など、主に会計を中心として組織基盤強化のサポートを行う。近年はアクティブシニアの活躍支援事業や「北海道NPOの戦略づくりプロジェクト」などを実施。令和5年度「孤独・孤立対策活動基盤整備モデル調査」担当として、2日間で約400人が参加した「北海道NPOフェスティバル2023(Nフェス)」を開催した。

北海道 保健福祉部福祉局 地域福祉課 担当者(調整中)

社会環境の変化による人と人との「つながり」の希薄化やコロナ禍における孤独・孤立の問題の顕在化、今後の更なる深刻化が懸念されることから、行政機関とNPO等支援団体が分野横断的に連携する場として「ほっかいどう孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」を設立。

孤独・孤立対策の推進に向けた啓発、行政機関及び支援団体の活動内容の共有及び業務連携の機会の提供、孤独・孤立対策に関する好取組やノウハウの共有、その他本会の目的を達成するために必要な取組を行う。


第6回 【最終回】協働の先にある社会像「市民自治社会」とは

日 程:2024年10月29日(火)13:30~15:30
会 場:オンライン(Zoom)

 協働が課題解決や地域づくりのあくまで手段や過程であるのならば、その先にある社会はどのような姿なのでしょうか。市民が主導しお互いの立場を尊重しながら役割分担し活動する過程、あるいは協力しながら活動する過程を通した「市民自治社会」へ向けて、社会的なNPOに対する認識やNPOの力量形成など乗り越えるべき論点は少なくありません。市民自治社会の姿とその社会に向けた展望や課題について一緒に考えましょう。

川村 正浩(かわむら まさひろ) さん
岐阜市 市民協働推進部市民活動交流センター 公民館係長

1997年4月に岐阜市役所に入庁。担当業務として、福祉の分野で地域福祉計画の策定(2003年)、市民協働の分野で岐阜市住民自治基本条例の制定(2007年)及び協働のまちづくり推進計画策定に携わるなど、主に市民協働・コミュニティに関する施策を担当。また、地域における自治的コミュニティの形成に向け、まちづくり協議会(地域活動団体のネットワーク組織)の設立・支援の事業などに取り組む。2023年4月から現在の所属。 「たまたま担当業務がそうだっただけの一担当職員ですが、前向きで挑戦的な人々と一緒に仕事ができる機会が多い市民協働の分野に魅せられた」行政職員です。

高平 亮(たかひら りょう) さん
特定非営利活動法人岡山NPOセンター 事業部長・地域連携センター所長

2006年に特定非営利活動法人岡山NPOセンターにアルバイトとして入職。翌年から職員となり、2013年に岡山県ボランティア・NPO活動支援センター「ゆうあいセンター」の所長に就任。東日本大震災支援のための県域ネットワークや高校生ボランティア・アワードの立ち上げに取り組む。2014年、岡山市で「ESD市民活動推進センター(現ESD・市民協働推進センター)」が設置され、センター長に就任。官民協働事業のコーディネートと伴走支援に力を注いでおり、2023年度までに実施された36事業中の21事業が市の施策化または自主事業化に至っている。その他、現在までに岡山県内の8自治体にて協働事業(補助事業)の審査員を務めたほか、第5回・第6回協働環境調査の事務局業務を担当するなど、官民の協働に関する経験・知識の習得に努めている。

永井 美佳(ながい みか) さん
社会福祉法人大阪ボランティア協会 常務理事・事務局長

学生時代に参加した援農ボランティア活動をきっかけとして、国際協力、環境、福祉などさまざまな社会問題解決の現場に足を運ぶようになる。「自身が社会とのつながりを実感できたように、同世代の若者が社会問題を知るきっかけとなる場が必要」と考え、学生ボランティアとして大阪ボランティア協会の若者対象事業を複数立上げる。学生時代に出会った市民活動家の生きざまをロールモデルとして、この世界で生きることを決意。複数のコーディネーション機関の事務局勤務を経て、1995年9月に入職。2016年4月より事務局長、2019年6月より常務理事を兼任。「市民の力を信じる」を信条に、社会問題解決の場に市民参加を促すコーディネーションに邁進。ボランティアコーディネーション力1級検定合格、准認定ファンドレーザー。


連続講座 ともしび・NPOスクール 2024年度 開講プログラム

つくる/市民社会コース考える/連携・協働コースつなぐ/NPO支援コース
1【開講式】市民社会とケア
「する/される」から「つくりだされる」へ
【特別講義】
自治体リーダーと語る協働のこれから
NPO支援者の仕事と姿勢
「支え合いを創り出す」
2いろんな人の市民社会論
「続・ケアの観点からNPOのあり方を考える」
そうだったのか!
協働の考え方・基礎知識
NPO支援者の仕事と姿勢
「寄り添い、向き合う」
3いろんな人の市民社会論
「仲間とともに活動をつづけるコツ」
最先端の課題を通して考える協働
「女性支援新法」
NPO支援者の仕事と姿勢
「課題を社会化する」
4いろんな人の市民社会論
「NPOらしい組織マネジメントとは」
最先端の課題を通して考える協働
「ヤングケアラー」
”つなぐ力”を現場から学び、高め合う
(フィールドワーク)
5いろんな人の市民社会論
「企業セクターからみたNPO」
最先端の課題を通して考える協働
「孤独・孤立対策」
”つなぐ力”を現場から学び、高め合う
(フィールドワーク)
6いろんな人の市民社会論
「わたしたちの市民社会論」
協働の先にある社会像
「市民自治社会」とは
【特別編】NPO支援者の仕事と姿勢
「事業の評価に伴走する」
内容は一定期間アーカイブで共有し、学びたいときに学ぶことができます(各回の単発参加者は除く)。

<参加費について>開講初年度特別価格

正会員:22,000円(税込・講座1回あたり約1,222円)
一 般:33,000円(税込・講座1回あたり約1,833円)※入会後に参加した方が1,000円お得です
団 体:66,000円(税込・NPO/団体正会員のみ受付)※入会後のご参加受け付けます
各 回: 5,500円(税込)
(追記・補足)6/20 お問い合わせを受けて追記・補足いたしました
※「受講メンバー登録」をしてご参加いただくと「NPOスクール」全18講座から自由に選んで参加ができます。
 内容は一定期間アーカイブで共有し、学びたいときに学ぶことができます。
※日本NPOセンター入会後の申込み受け付けます(NPO/団体・個人正会員の年会費は10,000円です)
 非会員の方は受講登録の際に日本NPOセンター入会申込もしていただくことができます。
※団体参加は1団体あたり原則3名までです。1団体あたり各回3名まで受講者を入れ替えてご参加いただけます。
※特別講座やフィールドワークは別途参加費がかかる場合があり、事前にご案内いたします。
※「ひみつゼミ」は夏頃に別途募集予定です。

※申し込みの際にいただいた個人情報は当センター個人情報保護方針に基づいて適正に管理し、以下の用途で保管・使用します。
・本事業の講師・参加者・その他運営に従事する関係者に共有する名簿の作成
 (記載項目:氏名、氏名ふりがな、ご所属、部署、役職・担当、ご所属の種類)
・日本NPOセンターからの本事業に関するご案内
・今後、日本NPOセンターが行う同種の事業等に関する各種ご案内等、日本NPOセンターからのお知らせ

【本事業に関するお問い合わせ】

認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
〒100-0004東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル245
E-mail:tomocivi@jnpoc.ne.jp 電話:03-3510-0855(担当:村尾、三本、吉田)