4月19日から22日にかけて日本NPOセンターと市民社会創造ファンドのスタッフが岩手を訪問し、情報収集をおこないましたので報告します。
4月19日(火)
沿岸部を支援するために遠野市社会福祉協議会などが立ち上げた「遠野まごころネット」の構成団体である遠野山・里・暮らしネットワークを訪問。地域への物資の直接配布とそれをきっかけにしたニーズ調査を遠野まごころネットのプロジェクトとして計画中。
物資は避難所には一定程度供給されているものの、避難所外に生活されている方は避難所に取りにくるように、となっている。しかし家が流された方ばかりの避難所に、家が流されていない方が物資を取りにいくのは心理的に困難な状況となっていて、この環境の差が、地域内の人間関係に影響を出しているようになっている。
遠野でコミュニティセンターなどを活用して、より小さな世帯単位での「自活型避難所」を被災地に通える距離に設置し、移送などのボランティアの支援付きで避難者の受け入れも計画されている。
4月20日(水)
釜石から大槌を車で移動しながら被災状況を視察。避難所として使われていた高校、大槌町災害ボランティアセンターを訪問。訪問した高校の避難所はすべての教室を明け渡し、ちょうど始業式をしていた。
@リアスNPOサポートセンターを訪問。元々は地元商店主が商店街振興を検討するうちに、商店だけではなく、福祉団体なども含めた多様な地域の参画が必要だと考えるようになり、NPOとして立ち上げた団体。そのような経緯もあり、商店主を中心とした地域の人たちの情報交換の拠点作り、雇用創出に強い問題意識をお持ちだった。
被災地障害者支援センター(ゆめ風基金)を訪問。小規模の福祉作業所等の再建支援を計画中。岩手県の特徴として、一部を除いて社協と大規模の施設が主体とのことで、宮古など県央には小規模の作業所が多く、支援が必要とのことだった。
岩手県災害ボランティアセンター支援団体連絡会議に参加。物資提供中心の活動から、復興支援のための次のステップへの模索が始まっている時期のよう。
4月21日(木)
岩手県NPO・文化国際課の課員の方から、県内の中間支援組織の状況を中心に、NPOの状況について伺う。
「環境パートナーシップいわて」の方から県内のNPOの被災地支援活動の状況、仮設住宅に対する提案(環境負荷の低い住宅)などを伺う。
最後に「いわて連携復興センター」について関係者の方からその構想について伺う。地域住民による地域再生をめざし、4月末に設立する予定とのこと。NPOほか、多くの連携団体が関わって設立に向けて活動をしている。