第2期第2回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第2期第2回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)
テーマ | 若者の被災地支援活動および人材を養成するためのNPO基盤強化 |
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団体名 | 特定非営利活動法人いわてGINGA‐NET(岩手県盛岡市) |
主な活動地域 | 岩手県沿岸南部を中心に釜石市、陸前高田市、他 |
選考理由 | いわてGINGA-NETは、2011年夏に実施された、全国146大学から1086名の学生ボランティアを受け入れ、岩手県沿岸部での被災地支援活動をコーディネートした「いわてGINGA-NETプロジェクト」の成果を引き継ぐ形で、昨年11月に岩手県立大学学生ボランティアセンターに関わる在校生や卒業生を中心に発足した。昨冬と今春にも前記のボランティアコーディネートプロジェクトを実施した他、いわて高等教育コンソーシアムと協力し、県内5大学から100名の学生が参加して、学生の支援者養成やネットワークづくりにも取り組んできた。 今後のビジョンに「復興に向け、5~10年先までつながる支援が行えるよう、様々な支援を継続的に現地へとつなぎ、自分たちの地域を自分たちで守ることができる若者やネットワークを全国で築いていく」を掲げ、重点活動として、1)全国の学生の受け入れ拠点と学生ボランティアコーディネートの継続、2)岩手県内の学生コミュニティの創出と学生間ネットワークの強化、3)全国の学生とのパートナーシップ構築と災害発生時に迅速に活動が行える基盤づくりに取り組む。本助成金は組織の中核を担うスタッフの人件費、スタッフのワークショップ技術や事務能力を高める研修費、全国の学生とネットワークを構築するための活動費、事務所の運営費に使用する。 学生が主体となって取り組む被災地支援活動としての実績があり、世間の震災に対する風化が避けられない中、学生の若さとネットワークに大きな期待が寄せられる。設立間もないが、今後長期にわたって学生が活動できる環境が整備されるよう期待したい。 |
テーマ | 釜石ママハウス(母子心身ケア施設)の継続的な運営をめざした組織基盤強化 |
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団体名 | 母と子の虹の架け橋(岩手県花巻市) |
主な活動地域 | 岩手県釜石市、大槌町 |
選考理由 | 母と子の虹の架け橋は、岩手県の「被災者一時移送事業(被災者を内陸部の宿泊施設へ一時的に移送)」に沿って花巻市で実施してきた「被災妊産婦ケア事業」を、沿岸部に戻った後も継続して母子を支援する必要性があると判断し、昨年7月13日に団体を設立した。9月25日に釜石市の仮設団地内にママハウスを開設し、沿岸部の女性たちを雇用し、母子の心身ケアを行ってきた。 今後の活動ビジョンに、1)ママハウス(母子の心身ケア)事業の継続・拡充、2)一時預かり保育施設「虹の家」の新規開設、3)仮設団地内に住む子育て家庭への訪問事業を掲げ、組織基盤強化に、1)社会的信用と認知を高めるためのNPO法人格の取得、2)行政資金や民間からの資金援助だけでなく、自らの財政基盤を構築するための自主財源の強化、3)二つの拠点のシナジー(相乗効果)を高めるための人材育成ならびに専門機関とのネットワーク強化を掲げる。 本助成金は主に「釜石ママハウス」の事業経費と運営経費の一部に使用するが、開設以降、母子の心身ケアの利用実績を着実に上げており、今後、本格的に活動を推進するための組織基盤づくりの後押しが必要と判断し、応援することとなった。 |
テーマ | 南三陸コミュニティ復興支援事業 ~地元住民がつながりあえる場の支援力強化ならびに現地組織の自立をめざした組織基盤強化~ |
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団体名 | 特定非営利活動法人故郷まちづくりナイン・タウン(宮城県登米市) |
主な活動地域 | 宮城県南三陸町歌津地区 |
選考理由 | 故郷まちづくりナイン・タウンは、2010年に設立され、宮城県登米市で地域伝統行事の企画・運営や公共施設の環境美化活動に取り組んできた。震災後、宮城県南三陸町で支援活動をおこなっていたNGOアジア協会アジア友の会と協働して、歌津地区を対象に、炊き出し、物資配布、情報紙発行に取り組んできた。現在、地元からの要望を受け、地場産品加工場と物産直売所の設営計画を進めており、地元運営組織の育成や事業運営のアドバイス、商品企画開発などに取り組んでいる。 今後の活動ビジョンに、1)農・漁業の復興と働く場の確保および現金収入を確保するための仕組みの構築、2)地域経済の活性化、3)現地NPOの立ち上げと運営支援、4)地域住民・各種団体・行政・NPOをつなぎ協働する新しい公共の仕組み構築、5)コミュニティの再構築を掲げ、組織基盤強化方針および取り組みに、1)南三陸町歌津の住民が現金収入の確保と雇用を創出するための物産直売所の設立、2)全国規模で広く情報発信をおこなうウェブサイトの構築、3)直売所スペース内に地域住民同士または地域外住民がふれあいと交流を深めるための場の創出、4)地元住民が中心となった「夢未来南三陸」の組織化を支援するためのスタッフの人材育成、継続的な運営指導、管理業務の支援、5)地域内ネットワークと連携を促す運営協議の場の設置、6)コミュニティづくりに不可欠な人づくり、組織づくりセミナーの実施を掲げ、本助成金は専門家の派遣費、ウェブの構築費、事務局スタッフの人件費、事務所の運営費に使用する。 甚大な被害があった南三陸町で、地元の社会資源を結集し、さまざまな事業に挑戦する企画アイデアが評価された。地元NPOの自立に向けて組織基盤が強化されることを期待したい。 |
テーマ | 石巻いきがい仕事づくり事業 ~自立的な事業モデルの確立に向けた組織基盤強化~ |
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団体名 | ぐるぐる応援団(宮城県石巻市) |
主な活動地域 | 宮城県石巻市 |
選考理由 | ぐるぐる応援団は、被災地のいきがい仕事と生活の足をつくることを目的に、昨年5月に設立された団体で、石巻市雄勝町・門脇町・渡波町での住民移動サービス、仮設住宅での団地ごはんプロジェクトや手仕事ワークショップ、子どもたちの継続的な遊び場・学び場事業に取り組んできた。 今後の活動方針に「刻々と変化する現場ニーズをもとに、現地と外の人の力が支える生活再建支援」と「助成金や補助金に頼り過ぎない事業モデルの確立」を掲げ、子育て中の母親の就労を支援する「いしのま★キッチン」プロジェクトを新規に立ち上げ、人々が集まり、いきがいとなる場を創出する。「いしのま★キッチン」は、石巻市役所の1階に場所を借り、仮設住宅に住む女性を中心にワークシェアリングで運営し、昼食や惣菜の販売、物販やイベントを開催するコミュニティスペースとし、今年4月7日にプレ・オープンした。今年度は、魅力ある惣菜メニューの開発とオペレーションの安定化を目指しており、本助成金はチームマネージャーや調理担当者の人件費、顧客サービスや組織マネジメントの研修費、専門家への謝礼などに使用する。 これまで被災者の主体性をベースに考えられた活動を展開し、今後のビジョンも明確であり、「いしのま★キッチン」プロジェクトが、被災地での生活再建支援の一つのモデルとして定着することを期待したい。 |
テーマ | 震災で大切な人を亡くした人々への心のケア活動を通じた生活再建支援のための組織基盤強化 |
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団体名 | 仙台グリーフケア研究会(宮城県仙台市) |
主な活動地域 | 宮城県仙台市、石巻市、南三陸町、気仙沼市 |
選考理由 |
仙台グリーフケア研究会は2006年に設立された団体で、救急医療現場へのグリーフケアの周知活動、わかちあいの会の開催を通じた自死遺族の心のケア、自殺予防のための啓発活動に取り組んできた。震災後、被災により大切な人を亡くした子どものためのケアプログラムと、被災地でのわかちあいの活動、ファシリテーターの育成に取り組み、応援基金も第1期に助成をおこなった。 今後のビジョンに、1)被災地でのグリーフケア活動の継続(行政、福祉機関等との連携強化)、2)被災地でのグリーフケア活動基盤の構築(グリーフケアの普及・啓発、地域での取り組みの支援)、3)被災者支援を行う人たち(医療・福祉・保健・団体)へのグリーフケアの啓発を掲げ、組織基盤強化では「グリーフケアを広め展開するために、社会的信頼と十分な資金の確保を目指し、活動基盤の強化を図る」ことを方針に、1)日常的な事務作業や各団体との連携およびグリーフケア活動を支える体制を構築するための常勤スタッフの継続的な確保、2)グリーフケア活動を拡大するためのボランティア(ファシリテーターおよびディレクター)の養成に取り組む。本助成金はファシリテーターとディレクターの養成費用、被災地でのわかちあいの会の活動強化費用、事務局職員の人件費に使用する。 グリーフケア活動を支えるボランティアを育成すると共に、事務局運営を支えるスタッフの継続的な確保と育成、広報・ファンドレイジング機能の強化など、市民の共感と参加によって組織基盤が強化されることを期待したい。 |
テーマ | みんなの咲(え)顔(がお)プロジェクト ~福島の子どもたちの咲顔を守る父母の現地ネットワーク構築~ |
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団体名 | 小国からの咲顔(福島県伊達市) |
主な活動地域 | 福島県全域 |
選考理由 | 小国からの咲顔は、福島県伊達市霊山町小国地区で、子どもをもつ保護者が中心となり立ち上げた。低線量の場所で遊ばせてあげたい保護者の気持ちと、外で普通に遊びたいという子どもの気持ちから、支援団体の協力を得て、昨年の夏休みと冬休みに愛知県と岐阜県で、約250名の子どもと保護者が参加して、“福島っ子キッズキャンプ”を実施した。 今後のビジョンに「福島県内の団体と協力し合い、原発事故への不安を自らの力で打開し、地域同士を父母のネットワークでつなぎ、支援が行き届かない地域の声を民間の活動の中で拾い上げ、政府・行政や全国の民間支援組織、企業に積極的に情報発信を行うこと」を掲げ、今年度は、1)福島県内の各地域にアドバイザーを派遣し、子どもと保護者を対象にインタビュー調査を実施し、保護者のネットワークづくりを働きかける、2)福島県内の保護者のニーズを数多く拾い、県内外へ情報発信を行う枠組みを構築する、3)福島っ子キッズキャンプの福島県全域への拡大に取り組む。本助成金はインタビュー調査費、保護者とのネットワーク構築費(会場費、通信費、備品購入費)、ボランティアコーディネーター養成費、スタッフの人件費、事務所の運営費に使用する。 福島在住の子育て世代の放射能への不安は深刻であり、広くネットワークを構築しながら、説得力のある提言活動が展開されることを期待したい。 |
テーマ | 支援情報ワンストップサービス化推進のための組織基盤強化 |
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団体名 | 特定非営利活動法人市民公益活動パートナーズ(福島県福島市) |
主な活動地域 | 福島県県北地域および相双地域 |
選考理由 |
市民公益活動パートナーズは、昨年2月に南東北地域のNPOを支援することを目的に設立された。震災・原発事故の発生以降、「伊達桑折×双葉浪江=交流と賑わいづくり応援プロジェクト連絡協議会」の一員として、双葉郡浪江町から避難して暮らす伊達郡桑折町や福島市北西部の応急仮設住宅(8ヶ所)を中心に、避難住民の生活再建支援や受け入れ地域でのコミュニティ再生に向けた支援に取り組んできた。 今後のビジョンに、1)避難住民・受け入れ地域住民による地域コミュニティの編み直しやNPOの後方支援(現在~1年後)、2)復興支援に取り組むNPOの運営に関する助言または援助(1年後~2年後)、3)生活再建支援や復興支援に取り組むNPOが継続的な支援につなげるための場づくりやコーディネートおよび人材育成、4)県外で活動するNPOや支援センターとの交流と連携の強化を掲げる。今年度は、1)復興支援に関わる市民団体等の情報集積、2)支援情報ステーション(仮称)とホームページの開設、3)“浪江の今”を伝える情報発信、4)浪江町民同士および浪江町民と支援活動団体や生活支援センターとのマッチングに取り組み、本助成金は情報基盤の構築費用、スタッフの人件費、取材交通費などに使用する。 今後、福島県内および全国に避難する浪江町民を、長期にわたりつなぎ続ける仕組みと基盤整備は、重要と考えられる。地道で丁寧な実践の中から、NPO支援センターとして組織の軸が構築されることを期待したい。 |
テーマ | 新生ふるさと浪江づくりプロジェクト ~創造的協働復興まちづくりを推進していくための組織基盤強化~ |
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団体名 | 特定非営利活動法人まちづくりNPO新町なみえ(福島県二本松市) |
主な活動地域 | 東北・関東一円 |
選考理由 |
浪江町は、地震・津波・原発事故により、全町民が福島県内に14,000人、県外に7,000人避難し、地域社会が崩壊の危機に瀕している。まちづくりNPO新町なみえは、浪江町新町商店会のメンバーが中心となり、昨年8月に設立された団体で、福島県内避難者のコミュニティ再生および県外避難者とのネットワーク構築を目的に、町と連携して県内・県外での交流会や自治会の立ち上げ、浪江町の伝統文化・芸能祭りの開催に取り組んできた。 今後のビジョンに「歴史と文化により培われてきたふるさと浪江の再生」と「浪江協働復興まちづくり」を掲げ、今年度は、1)絆再生および町民の不満・課題等を建設的に話し合い共有するための「交流会」を継続的に実施し(福島県内7か所、東北5か所で開催予定)、2)浪江町の将来と希望を創出するための「協働復興まちづくりワークショップ」を町民参画のもとに開催し、生活再建および地域再建に向けて、町民と町がまちづくりの方向性を明確にし、3)まちづくりの将来を担う人材の育成(「浪江復興塾」の開催)に取り組む。本助成金は交流会の開催費用、まちづくりワークショップ費用、人件費等に使用する。 全国に四散した浪江町民の声を集め、まちづくりワークショップにつなぎ、浪江町の将来を具現化する道筋をつけ、浪江町の将来を担う人材を育成することで、組織基盤が強化されることを期待したい。 |