【開催報告】東日本大震災現地NPO応援基金 「大和証券フェニックスジャパン・プログラム2018」 助成対象団体が集まり、第2回合同研修会を開催

 現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムでは、資金支援のほか、新規助成対象団体を主な対象とした「合同研修会」を助成期間中に2回実施しています。2019年4月19日に2018年助成の第2回の研修会を仙台で実施し、助成対象の7団体、選考委員等、19名が参加しました。

 現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する「人材育成」の取り組みを応援するものです。第2回の合同研修会は、育成事業の前半の振り返りと意見交換、後半の育成計画の確認と見直しを行いました。
 はじめに、選考委員長の須田木綿子氏(東洋大学 教授)よりご挨拶をいただき、研修会をスタートしました。

参加7団体による育成事業の中間報告

 団体の育成対象スタッフから育成の目標に対して半年間の取り組みがどうだったのか、また課題に思っていることなどを報告。スーパーバイザー(育成責任者)がコメントをした後、他の参加者からも積極的に質問やコメントをいただきました。

 発表内容からは、研修を受けたり現地視察に行った後、それを育成対象ではない他のスタッフにどのように伝えるのか、団体の経験値としてどのように落とし込んだらよいのか。業務が忙しくなり、なかなか育成のために時間を割いたり遠方への視察研修に行くことが難しい。他の人に業務を振れず抱え込んだり、他の人に仕事を頼まれると、断れずにいっぱいいっぱいになってしまうことがある。他にも事務局長という立場のスタッフからは、給与体系の組み立てをどうやっているのか、などの課題や質問が出されました。

(助成対象団体)
<新規助成> 4団体

●特定非営利活動法人にじいろクレヨン(宮城県 石巻市)
 計画名:にじいろクレヨン事務局体制強化計画
●特定非営利活動法人髙橋園 (宮城県 石巻市)
 計画名:持続可能な障害児支援を行うチームのマネジメントの視点を養う
●一般社団法人ピースボートセンターいしのまき(宮城県 石巻市)
 計画名:漁師の担い手不足を解決する関係人口増加プログラムを担う職員の育成
●特定非営利活動法人ホールアース研究所(ホールアース自然学校 福島校)(福島県 郡山市)
 計画名:人と自然のつながりを再構築し、地域に芽生えた想いを体現・事業化できる組織づくりのための経営人材の育成

<継続助成> 3団体

●認定特定非営利活動法人 桜ライン311 (岩手県 陸前高田市)
 計画名:対象者の事務局長就任を目的とした資金調達面能力を主軸とする人材育成(2)
●特定非営利活動法人 奏海の杜 (宮城県 南三陸町)
 計画名:地域に必要な活動を継続できるチームのマネジメント力を身につける(2) 
●一般社団法人 日本カーシェアリング協会 (宮城県 石巻市)
 計画名:組織基盤強化のための事務局力育成(2) 

今後の取組についての確認

 報告のあとは、団体ごとに育成目標の優先度を改めて確認する時間を設けました。その上で、対象スタッフから、助成期間後半の目標について発表いただきました。

さいごに

 最後に、まとめとして、事務局の田尻よりコメントしました。
「皆さんは、地域で活動する土の人であるが、世の中の大きな変化も捉えながら何をすべきか考えてほしい。また、継続助成についても考えて欲しい。1年目は考えながらのスタートであるが、2年目は助成が決まった瞬間から育成事業をスタートできる。次のことを考えながらあと半年、しっかりと有意義な時間にしてもらえたらと思う。」
助成がスタートしてから半年、育成対象スタッフの皆さんが大きくステップアップしている様子が分かりました。今回の報告では、育成において課題に思うことや壁に突き当たっていることが、どの団体も明確に表現されていました。自らの組織の状況や、次にやるべきことが見えているからこそ、課題や壁の存在もしっかりと見えているのだろうと思います。
残りの半年が有意義なものとなるようフォローしていきたいと思います。

2018助成先 全7団体 それぞれ育成対象スタッフとスーパーバイザー

(記録作成:市民社会創造ファンド 山田)