現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する「人材育成」の取り組みを応援するもので、2012年から2020年まで実施しました。 フォローアップ事業は、その後、助成を受けた育成対象職員が組織の課題解決に向けて、企画立案から実行までを自身で遂行する活動を支援し、スタッフとしてのさらなる成長を願うものです。事業の完了にあたり、2023年8月18日に東京で完了報告会を開催し、助成対象5団体、選考委員、大和証券グループ本社から19名が参加しました。
1.参加5団体の中核人材による事業の報告と質疑
【助成対象団体】(5団体)
●認定特定非営利活動法人 桜ライン311(岩手県陸前高田市)
計画名:近隣地域ボランティア獲得を目的としたプログラム作成と組織形成
●特定非営利活動法人みんなのひろば(福島県伊達市)
計画名:ワークフローシステム構築とインターネット広報プロジェクト
●特定非営利活動法人未来図書館(岩手県盛岡市)
計画名:未来をもっと明るい方につなげたい! 応援の輪展開事業
●一般社団法人SAVE IWATE(岩手県盛岡市)
計画名:和ぐるみプロジェクトの新展開を担うための実践スキルの獲得
●特定非営利活動法人チームふくしま(福島県福島市)
計画名:働き方・業務改善及び SDGs 理解強化事業
発表は、フォローアップ事業に取り組んだ育成対象職員=中核人材より、「過去の育成事業を含めた事業の成果」「組織や自身の変化」「今後の中核人材としての決意表明」について報告しました。 その後、報告に対する質疑応答を行いました。 発表や質疑からは、人を巻き込むことの重要性が見えてきたこと、他のスタッフにも参画してもらうための工夫を重ねたこと、などが語られました。また、NPOの重要な役割として他セクターとつなぐことを認識した、という発言もありました。
2.スーパーバイザーによるミニパネル
続いて、須田選考委員長による進行で、スーパーバイザーによるミニパネルディスカッションを行いました。1回目の育成事業とフォローアップ事業の時、スタッフの取り組みの様子や変化、中核人材としての今後の期待について話し合いました。
冒頭に、須田選考委員長から本人材育成プログラムに対する調査の報告があり、助成終了後も組織に残っている育成対象スタッフが6割程度であること。また組織を去った元スタッフも団体の応援団になっていたり、新たに組織を立ち上げるなどしていること。組織としても人材育成の基礎を作ることができた、といった成果があることが語られました。
スーパーバイザーからは、「人材育成をテーマとした助成事業は大変貴重である」、「育成対象者の気づきや成長のペースは自分と異なると気づいた」、「支援対象者から支援する人に変化した」。「スタッフ自身が考える機会を作ることが重要」、といった意見が出されました。
3.閉会のあいさつ(認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター 常務理事 田尻佳史)
最後は、日本NPOセンターの田尻より閉会のあいさつを行いました。
「助成事業でも10年続くプログラムは少なく、ドナーである大和証券グループ本社の皆様には大変感謝している。また、団体の皆さんは、お金よりも機会を活かしたいと思って応募してくれたのは有難いことである。スーパーバイザーのディスカッションの中から、スタッフの変化が見て取れた。自らPDCAサイクルを回し、考え、評価し、改善する。それが核となり、「やらされた」から「やりたい」へ、それが他のスタッフの変化や組織の変化につながった。自然に育つ組織が良い組織である。人が育ったことの成果は脈々と続いていくだろうと思う。」 以上をもって完了報告会を終了しました。