現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムでは、助成金による資金支援のほか、事務局主催のフォローアップとして合同研修会を実施しています(助成期間中に2回)。
10月からの助成がスタートして間もない10月12日、仙台で助成金の贈呈式と第1回の研修会を実施しました。助成対象の7団体、選考委員長、ドナーである大和証券グループ担当者等、20名が参加しました。
現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する「人材育成」の取り組みを応援するものです。
2018年助成の第1回の合同研修会は、育成事業のスタート時点にあたり、育成対象となるスタッフと、育成責任者(スーパーバイザー/SV)が、それぞれの育成計画の目的と互いの役割を理解すること、そして他の助成対象団体との交流を目的として実施しています。
プログラムを開始して7年目をむかえた今回は、ドナーである大和証券グループ本社と大和証券仙台支店のご厚意により贈呈式が行われました。仙台支店の小林武彦支店長、本プログラムの須田選考委員長、日本NPOセンター田尻の挨拶のあと、全7団体へ贈呈書が授与されました。
その後の研修会では、事務局より1年間の助成プログラムのオリエンテーション、団体ごとの育成計画の発表、1年間の目標確認を行いました。
贈呈式の様子(大和証券仙台支店にて)
1.イントロダクション
はじめに、この1年間の助成プログラムを実施するにあたり、改めて当助成プログラムの目標や、助成期間中に提出いただく育成レポートのねらい等について、事務局よりオリエンテーションを行いました。
2.参加7団体による育成計画の発表
下記の団体の育成対象スタッフより、団体の活動紹介、今回の助成によって行う育成計画についての発表、そしてスーパーバイザーからのコメントをzした。発表後には他の参加団体からの質疑応答を行いました。
(助成対象団体)
<新規助成> 4団体
●特定非営利活動法人にじいろクレヨン(宮城県 石巻市)
計画名:にじいろクレヨン事務局体制強化計画
●特定非営利活動法人髙橋園 (宮城県 石巻市)
計画名:持続可能な障害児支援を行うチームのマネジメントの視点を養う
●一般社団法人ピースボートセンターいしのまき(宮城県 石巻市)
計画名:漁師の担い手不足を解決する関係人口増加プログラムを担う職員の育成
●特定非営利活動法人ホールアース研究所(ホールアース自然学校 福島校)(福島県 郡山市)
計画名:人と自然のつながりを再構築し、地域に芽生えた想いを体現・事業化できる組織づくりのための経営人材の育成
<継続助成> 3団体
●認定特定非営利活動法人 桜ライン311 (岩手県 陸前高田市)
計画名:対象者の事務局長就任を目的とした資金調達面能力を主軸とする人材育成(2)
●特定非営利活動法人 奏海の杜 (宮城県 南三陸町)
計画名:地域に必要な活動を継続できるチームのマネジメント力を身につける(2)
●一般社団法人 日本カーシェアリング協会 (宮城県 石巻市)
計画名:組織基盤強化のための事務局力育成(2)
3.1年間の目標確認
次に、育成対象スタッフとスーパーバイザーで部屋を分かれてワークショップを行いました。育成対象スタッフは、日本NPOセンター・山本の進行のもと、これから助成が始まるにあたり1年間の育成目標を改めて確認するとともに目標の優先順位を決めていただきました。
スーパーバイザーの部屋では、須田選考委員長より「今どきのボランティアについて学ぶ」というテーマでお話をいただき、その後人材育成や組織づくりについて意見交換をしました。
“今どき”のボランティアは人生に常に不安を抱える中、責任やミッションを持たされることを嫌うため、受け入れる側もお膳立てが必要。そういったボランティアとどう巻き込んでいくのか。また、代表者や責任者と育成対象スタッフの関係や、それに限らずNPOスタッフ間での関係構築やコミュニケーションの取り方について。そして、本プログラムでは必須の要件としている外部研修の効果をどう高めるかなどの育成方法に話が向かいました。
4.さいごに
今回の研修会では、継続助成の対象団体が1年間の育成事業の経験を新規助成の団体に伝えてくださる場面が多くみられました。人材育成に正解はありませんが、経験を共有することで知恵は蓄積されるものだと思います。たとえばファンドレイジングという言葉を捉えなおすこと、育成対象ではない団体のスタッフとの関係性のつくり方、外部研修で得たものの組織内部での共有方法などなど、いわゆるミッションに基づく活動とは異なり、なかなか表に出てこない日々のことです。
合同研修会は、そういった表に出てこない話を表に出して、一緒に考えて、共有して知恵を得る場になっていると思いました。ここで出された話は助成プログラムそのものの仕組みを見直す機会にもなります。今後も団体の基盤強化はもちろん、助成プログラムの基盤も強化していきたいと思います。
(記録作成:市民社会創造ファンド 山田)