助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由 | 選考結果のご報告(各ページのPDF版)
■一般公募枠
【日常生活の再建事業】
プロジェクト名/団体名 | 所在地 | 助成額 (単位:万円) |
|
---|---|---|---|
情報通信技術を活用した遠隔支援者と地域支援者の連携協働による心のケア活動 認定特定非営利活動法人 心の架け橋いわて |
岩手県 盛岡市 |
496 | |
岩手県釜石市箱崎半島部の漁業集落復興まちづくり事業 特定非営利活動法人 釜石東部漁協管内復興市民会議 |
岩手県 釜石市 |
300 | |
障がい者への就労支援事業 社会福祉法人 夢みの里 |
宮城県 石巻市 |
450 | |
東日本大震災被災地におけるグリーフケアの実践と普及・啓発活動 特定非営利活動法人 仙台グリーフケア研究会 |
宮城県 仙台市 |
500 | |
農業高校における実践的商品開発フェーズⅡ 一般社団法人 Bridge for Fukushima |
福島県 福島市 |
299 | |
「LIFE(生活・人生・いのち)に寄り添い続ける」包括サポートプログラム (学生団体)福島大学災害ボランティアセンター |
福島県 福島市 |
380 | |
福島での生活の復興をめぐり、学び考える活動 特定非営利活動法人 ふくしま30年プロジェクト |
福島県 福島市 |
400 | |
【地域コミュニティ・文化の再生事業】 | |||
プロジェクト名/団体名 | 所在地 | 助成額 (単位:万円) |
|
岩手県在住の内陸避難者を対象とした生活再建・新たなコミュニティ形成支援事業 特定非営利活動法人 いなほ |
岩手県 盛岡市 |
290 | |
やってみっぺし読み聞かせ 特定非営利活動法人 おはなしころりん |
岩手県 大船渡市 |
500 | |
石巻南浜津波復興祈念公園予定地への伝承連携拠点の設置および民間連携組織の構築 公益社団法人 みらいサポート石巻 |
宮城県 石巻市 |
500 | |
高齢者、沿岸部よりの避難者が多く住む鶴ケ谷を、明るく元気にする交流事業 つるがや元気会 |
宮城県 仙台市 |
100 | |
小高・南相馬の多世代交流を担う新たな居場所づくり・アクションプロジェクト 特定非営利活動法人 はらまち交流サポートセンター |
福島県 南相馬市 |
299 | |
豊間に住んでみらっせ!子育て世帯定住促進プロジェクト ふるさと豊間復興協議会 |
福島県 いわき市 |
325 |
■信用金庫推薦枠
【日常生活の再建事業】
プロジェクト名/団体名 | 所在地 | 助成額 (単位:万円) |
|
---|---|---|---|
内陸避難者奥州絆作り事業 奥州つばき絆の会 |
岩手県 奥州市 |
50 | |
障がい当事者とその母たちによる「地域活動支援センター」開設・運営プロジェクト 一般社団法人 シャロームいしのまき |
宮城県 石巻市 |
255 | |
精神障害者社会参加応援グループホーム改築 特定非営利活動法人 だんでらいおん |
宮城県 仙台市 |
500 | |
HELLO!FUKUSHIMA FOODS!~海外の高校生と発信する福島の食~ 特定非営利活動法人 ドリームサポート福島 |
福島県 福島市 |
499 | |
障がい者と地域住民及び観光客の交流 農福商工連携着地交流型ワイナリー事業 認定特定非営利活動法人 みどりの杜福祉会 |
福島県 いわき市 |
500 | |
【地域コミュニティ・文化の再生事業】 | |||
プロジェクト名/団体名 | 所在地 | 助成額 (単位:万円) |
|
在宅医療コーディネートの活性化事業 特定非営利活動法人 北三陸塾 |
岩手県 久慈市 |
400 | |
被災地域における市民及び支援者相互のコミュニティ再形成事業 特定非営利活動法人 いわて連携復興センター |
岩手県 北上市 |
299 | |
漁師も観光客も帰りたくなる町づくり~気仙沼の基幹産業である漁業の発展を軸とした水産と観光との融合~ 気仙沼つばき会 |
宮城県 気仙沼市 |
237 | |
高校生の主体性を育む地域教育の実践 認定特定非営利活動法人 底上げ |
宮城県 気仙沼市 |
499 | |
被災地NPOの広域連携と持続的活動のための支援事業 特定非営利活動法人 いしのまきNPOセンター |
宮城県石巻市 | 299 | |
カーシェアリングによるコミュニティサポート及びその継続支援のための体制づくり 一般社団法人 日本カーシェアリング協会 |
宮城県石巻市 | 500 | |
パークゴルフ場の利活用による地域コミュニティ再生の拠点作りと交流人口の拡大事業 特定非営利活動法人 野馬追の里パークゴルフ |
福島県 南相馬市 |
151 | |
フラガールのふるさといわき推進事業 特定非営利活動法人 フラガールズ甲子園 |
福島県 いわき市 |
400 | |
~新たなる未来へ~ みんなの絆サロン! 社会福祉法人 会津若松市社会福祉協議会 |
福島県 会津若松市 |
233 |
・助成件数:27件 (一般公募枠:13件、信用金庫推薦枠:14件)
・助成総額:9,661万円(一般公募枠:4,839万円、信用金庫推薦枠:4,822万円)
*第5回助成は、下記の応募について1~3月に選考し助成が決定したもの。
・一般公募枠 :2016年12月19日から2017年1月10日まで
・信用金庫推薦枠:2016年12月14日から2017年1月6日まで
*助成期間は2017年4月1日から2018年3月31日までの1年間。
選考総評
選考委員長 萩原なつ子
[「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの概要]
「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」は、認定特定非営利活動法人日本NPOセンターが2011年3月から行っている「東日本大震災現地NPO応援基金」に対して、信用金庫業界からの寄付を信金中央金庫を通じて受け、「特定助成」として実施する資金助成事業である。テーマは「日常生活の再建」と「地域コミュニティ・文化の再生」の2つから選択する。なお、このプロジェクトは、一般公募枠と信用金庫推薦枠の2つの枠があり、その下にA・BならびにC・Dの4コースから構成されている。信用金庫推薦枠は、東北被災3県(岩手県・宮城県・福島県)の信用金庫からの推薦が必要となる。
[応募状況と選考プロセス]
第5回助成(助成期間2017年4月1日~2018年3月31日)は、一般公募枠については2016年12月より告知を開始し、同年12月19日~2017年1月10日の応募受付期間に65件の応募があった。
応募テーマ別では「日常生活の再建」の26件に対し、「地域コミュニティ・文化の再生」は39件、コース別ではAコースが23件、Bコースは42件であった。応募事業の活動地域別内訳では多い順に宮城県、福島県、岩手県であった。また、設立時期については、約2/3の体が震災後(2011年3月11日以降)に設立された団体であった。法人格別に見ると、特定非営利活動法人が全体の6割を占め、以下任意団体、一般社団法人が続いた。助成希望金額ではAコース、Bコースとも上限額に近い申請が目立った。
一般公募枠の選考プロセスは、まず事務局にて応募案件の予備審査を行い、選考委員会において選考すべき29件を選出した。その後選考委員がこの29件について書面評価を行い、その結果を基に全員参加の選考委員会の場で審議を行い、助成候補となる14団体を選出した。その後、事務局スタッフが助成候補団体を訪問・電話インタビューし、活動状況や選考委員会から説明を求められた疑問点等について詳細な聞き取りを行った。このインタビュー結果を選考委員長に報告し、委員長が最終的に決裁を行い、助成事業13件を決定した。助成額合計は4,839万円であった。
信用金庫推薦枠については、2016年11月より告知を開始し、同年12月14日~2017年1月6日の応募受付期間に推薦枠を持つ東北3県(岩手県、宮城県、福島県)の10信用金庫から21件の応募があった。信用金庫推薦枠については、全案件について応募要件・選考基準等に基づいて事務局ならびに信金中央金庫にて慎重に検討を行った。その結果を選考委員長との協議により決裁を得て、助成事業14件を決定し、選考委員会に報告した。助成額合計は4,822万円であった。
一般公募枠と信用金庫推薦枠をあわせての助成は、27件で助成金額は9,661万円となった。
[選考における議論のポイント]
選考においては、「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの選考基準*1をベースにして評価ならびに審議が行われた。
*1≪「しんきんの絆」復興応援プロジェクト選考基準≫
◎日常生活の再建
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・連携性 : 地域の他の団体、地縁組織や企業・自治体等と連携しているか
・当事者性 :課題を抱える住民の視点から、事業が構成されているか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか
・継続性 : 地域への長期的貢献を視野にいれ、活動が行えるか
◎地域コミュニティ・文化の再生
・新規性 : 被災地の新たな地域課題に対応しているか
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・共助性 : 住民同士が助け合う関係性を築くための取り組みであるか
・独自性 : 現状のコミュニティや文化の維持にとどまらない取り組みであるか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか
「日常生活の再建事業」においては、実現性、連携性が議論となった。
助成期間をどう使って事業を展開していくのかというストーリーが描けているか、地域の復興状況とプロジェクトを実施するタイミングが合っているかどうか、連携先とどのような関係性をもっているのか、どちらが主体となる活動なのか、双方の目的は共有されているのか等について、多くの意見が交わされた。特に、申請団体と連携団体との連携性については、申請事業が持続可能な仕組みとなるうえで大きな鍵を握っているという視点のもとに検討が行われた。
「地域コミュニティ・文化の再生事業」においては、新規性・独自性、参加性が議論となった。震災後6年を経て各地域では新たな変化や課題への対応が必要とされているが、地域のニーズにマッチしているか、住民参加のしくみを持った活動か、事業の受益者は誰なのか等が議論された。
どちらのテーマにおいても、今回の助成が当プロジェクトの最終助成であることから、助成終了後の展望がどの程度あるのか、持続可能な姿をどのように描いているのかについてもさまざまな意見のもとに検討された。
申請事業の中では、沿岸部の仮設住宅や公営住宅での住民サポート活動においては、環境の変化に対して取り組みの変化が追いついていない、もしくは取り組みの変化に乏しい印象を受けたが、内陸避難者や帰還住民支援につながる取り組みにおいては、状況の変化に対応しながら住民を支えようとする姿勢が感じられた。子育て支援分野では他の助成金や支援金も多いことから、補助金や支援金を軸とした運営への是非が議論されたり、当事者もしくは受益者である保護者や子どもの姿があまり見えなかったり、目的と手段が入れ替わったような申請が見受けられた。地域の未来の可能性につながる人材育成として中高生を対象とした事業についての申請も多かったが、地域の大人たちをどのように巻き込んでいくかで評価がわかれた。障がい者支援活動においては、地域の中で彼らが主体となって暮らしていくための取り組みへの一定の評価があった。
結果として、採択事業を支援対象分野でみると、多い分野と少ない分野があったが、それもひとつの特徴であろう。
また、本プロジェクトも応募資格を持つ助成実績のある団体が60団体を超えたこともあり、前回以上に助成実績を持つ団体からの申請が多く寄せられた。本助成では継続助成の仕組みはないため、全申請事業が同様の審査を経ることになるが、特に過去の助成事業と関連した事業や継続性の高い事業については、前回の助成の成果や課題をどのように捉えているかは厳しく問われた。
東日本大震災から6年が経過し、震災前から抱えていた地域の課題が改めて浮き彫りになってきた。それぞれの課題の解決に向けて本助成金が活かされることを期待している。
【選考委員】(所属・肩書は選考当時のもの)
[table id=36 /]
助成概要と選考理由
事業名 | 情報通信技術を活用した遠隔支援者と地域支援者の連携協働による心のケア活動 |
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団体名 | 認定特定非営利活動法人 心の架け橋いわて |
助成額 | 496万円 |
選考理由 | 本団体は、東日本大震災により甚大な被害を受けた大槌町において、メンタルヘルス対策が大きな課題であることから、その分野の専門家たちがメンタルヘルスに関わる支援活動を行うために設立された。 本助成事業は、専門家の現地派遣による直接支援に加え、地域で研修を受けたスタッフが仮設住宅や現地拠点等でお茶のみ形式のサロンを開き、軽度の運動や啓発教育、健康講話等を行うものである。現地拠点ではコミュニティ・カフェも開き、メンタルヘルスに関する相談にも応じている。最大の特徴は、遠隔地の医師や専門家が、テレビ会議システムを用いて参加者への講話や事例検討会等を行うことである。遠隔地と地域の両面から住民をサポートする体制づくりに取り組んでいることは、遠隔地からの被災地支援の新しいあり方を示すことでもあり、第3回助成に続き、本助成事業とした。被災地のみならず遠隔医療の一つのモデルを示す可能性に期待する。 |
事業名 | 岩手県釜石市箱崎半島部の漁業集落復興まちづくり事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 釜石東部漁協管内復興市民会議 |
助成額 | 300万円 |
選考理由 | 本団体は、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石東部漁協管内の箱崎半島部の8地区の漁業集落において、住民自らが、まちの復興と市民の生活再建・自立するために設立した法人で、通称「おはこざき市民会議」と呼ばれている。漁業の担い手育成やまちづくり・ひとづくり事業、防災教育・アーカイブ事業、観光事業や特産品開発等、幅広い活動を行ってきた。 観光事業の取り組みや学校との連携等から交流人口は増加しており、また漁業体験の拠点を整備して人材育成への環境も徐々に整ってきてはいるが、震災から6年が経過した今、さまざまな変化への対応が迫られている。特にラグビーW杯後の持続可能な地域の在り方を考えた取り組みが急務となっている。 本助成事業はまちづくり、人づくりのための住民主体の取り組みであり、漁業体験を通して担い手育成や交流人口の増加に取り組む「漁業の学舎」や地域の特産品開発等を行うものである。本助成において多世代を巻き込んだ取り組みがなされ、より多くの住民参加の仕組みづくりが進むことを期待する。 |
事業名 | 障がい者への就労支援事業 |
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団体名 | 社会福祉法人 夢みの里 |
助成額 | 450万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県石巻市において、介護保険事業、障がい福祉サービス事業、就労支援事業等を通して、障がい者がその能力に応じて自立した日常生活を営むことが出来るよう支援活動を行っている。 本助成事業はペットボトルを地域から回収し、障がい者による分別やラベルをはがす工程を経たのち、粉砕機でチップ状に細かく粉砕して付加価値を高めて販売し、収益を上げる事業を行うための、新たな粉砕機購入である。現在使用している粉砕機は旧型で効率が悪いため、粉砕機の導入により効率があがると、障がいの程度に応じた多くの作業が生まれるため、障がい者の方々が地域で自立した生活を営むことが見込まれる。また、現在の粉砕機は振動や音も大きく、新たな機械の導入により労働環境の改善が見込まれることの社会的意義も大きい。本事業が地域内外の協力を得ながら、障がい者の自立支援の一つのモデル事業になることを期待する。 |
事業名 | 東日本大震災被災地におけるグリーフケアの実践と普及・啓発活動 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 仙台グリーフケア研究会 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、2004年より「遺族のためのわかちあいの会」を通した遺族のグリーフケアやグリーフケアについての情報提供、そして自死防止対策に関する事業等の実践、啓発、普及活動を行っている。東日本大震災では多くの死別経験者を生み、その影響の大きさから2013年に特定非営利活動法人格を取得、「わかちあいの会」を仙台市、石巻市、気仙沼市、南三陸町、岩沼市において開催してきた。さらに、震災後の心のケアが未だに十分ではないことから、グリーフケアに関する知識を伝え、その悲しみをわかちあう場を継続的に提供できるような人材を育成するための担い手養成講座を開催してきた。 本助成事業では担い手養成講座のテキストを作成し、持続可能な育成のしくみづくりを強化する。加えて、グリーフケアの普及や講座受講生の活動創出の場として、ミニ講座や出前講座等の啓発活動も実施する。デリケートな心のケアを担う人材の養成は困難なことが予測されるが、本助成によりしっかりとしたプログラムと丁寧な取り組みが行われることを期待する。 |
事業名 | 農業高校における実践的商品開発フェーズⅡ |
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団体名 | 一般社団法人 Bridge for Fukushima |
助成額 | 299万円 |
選考理由 | 本団体は、東日本大震災からの復興を促進するために、被災者が主体となって支援活動を行うとともに、新しい公共の担い手を育成しつつ、課題解決に取り組む風土を作ることをめざして設立された。具体的には、次世代リーダーの育成や、企業とソーシャルセクターのプラットフォームづくりに取り組んでいる。 本助成事業は福島県内の農業高校で、企業、NPO、地元の農家等が講師になって、実践的に商品開発、ビジネスプラン作成、販売戦略づくり、試作、販売、決算、事業評価を学ぶ通年授業である。第3回助成事業では、商品開発発表会に地域の関係者を招待したことで、商品が地元企業により商品化される等、具体的な連携に結びついた事例や、さまざまな形での地域還元を目指して進路を決める生徒が増える等の成果が見られた。さらに、実施校が増える等、地域からの期待も高いことから、本助成を行うこととした。 本助成を通して、実施校が地域とのつながりを強化し、資金的なサポートや人的リソースを活用した地域活性化に貢献できることと共に、福島県全体の教育プログラムに良い影響を与えることを期待する。 |
事業名 | 「LIFE(生活・人生・いのち)に寄り添い続ける」包括サポートプログラム |
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団体名 | (学生団体)福島大学災害ボランティアセンター |
助成額 | 380万円 |
選考理由 | 本団体は、被災者のさまざまな必要に応えて継続的な支援を行うために設立された学生団体であり、福島大学を中心に約40の大学の学生が参加している。 本助成事業では津波被災地域での片づけ作業、農地再生活動、仮設住宅でのコミュニティ形成支援、被災した子どもたちへの学習支援等、被災者に寄り添った多岐にわたる支援活動を実施する。特に仮設住宅に学生が住みながら住民によりそう「いるだけ支援」、学生の手による地域再生プロジェクト「学生DASH村」等ユニークな取り組みも多い。変化する状況や新たに発生してくるニーズにも対応しようとする活動や、卒業や入学による学生の入れ替わりがあっても地域を支えたいという思いが継承されていることは意義深く、第2回助成に続き、本助成事業とした。 本助成により、学生が活動の成果を客観的に評価しながら、地域の変化に応じた支援活動を行うこと、さらには卒業生が継続した関係をもち、持続可能な活動を支えていく仕組みづくりが行われることを期待する。 |
事業名 | 福島での生活の復興をめぐり、学び考える活動 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 ふくしま30年プロジェクト |
助成額 | 400万円 |
選考理由 | 本団体は、東日本大震災により発生した東京電力福島第1原子力発電所事故の影響に危機感を持つ市民が集まり、自らの活動で空間線量や食品、内部被ばくの測定を始めた団体で、2011年7月に法人設立、10月には放射線測定所を開設している。「ふくしまで暮らす」ことに寄り添う活動を軸としているため、交流会や測定に訪れる参加者は、今後福島で生活を継続しようという方がほとんどであるが、震災から6年が経過して、不安感の表し方や測定件数の減少等、ニーズの変化が生じている。 本助成事業は、情報共有や啓発の手法を交流会から研修会、映画等を通した対話の会等、さまざまな手法で市民の思いを伝えあうものである。また、支援者との関係構築や、取り組みの記録を残すために冊子やニュースレター等の発行物を強化する。不安を抱えながら地域に戻る選択をする住民が増える状況や、住民主体で放射能への不安に寄り添う活動は公的支援も得にくいため、第3回助成に続き、本助成を行うこととした。本助成が、社会の変化に対応しながら住民の暮らしを心の面から下支えすることに期待する。 |
事業名 | 岩手県在住の内陸避難者を対象とした生活再建・新たなコミュニティ形成支援事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 いなほ |
助成額 | 290万円 |
選考理由 | 本団体は、岩手県に居住する住民が、年齢、障がいの有無にかかわらず、地域の中でそれぞれ生きがいを見つけ、自分らしい生活を送ることができるよう、交流や学びの場を提供し、健康の増進、生活意欲の向上、社会的孤立の防止、生活困窮からの自立支援に寄与することを目的として震災後に設立された団体である。 震災から6年が経過し、住宅再建が進展する中、沿岸からの避難者は「住まい」について決断を迫られているが、岩手県内陸部では災害公営住宅や高台造成地等の情報が入りづらい状況である。さらに震災後一度も地元に帰ることがなく、地元に繋がる機会を失っているため、引きこもりがちになり、避難先で孤立してしまう事例が見られる。 本助成事業は、「バスツアー」を通じて自宅再建に向けた活動やコミュニティ形成の推進を図るものである。本助成により内陸避難者の生活再建に向けた情報収集や参加者どうしの交流が促進され、新たなコミュニティ形成に寄与することを期待する。 |
事業名 | やってみっぺし読み聞かせ |
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団体名 | 特定非営利活動法人 おはなしころりん |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、岩手県大船渡市において2003年から読み聞かせや読書推進活動(地域の小学校等)を行っていたが、震災後、避難所での読み聞かせを依頼されたことにより「読み聞かせによる心の居場所づくり」に取り組んできた。 本助成事業は、読み聞かせを軸とした交流活動を行うことによる地域住民の生きがいづくりである。地域住民が活動を通してエンパワメントされて「読み手」として子どもたちへの読み聞かせ活動に参加するようになる等、多世代からなる住民のネットワークが築かれることはコミュニティ、読書文化の再生に寄与することから本助成とした。本助成により活動を支える担い手が増え、子どもの生きる力を育む読書活動が地域でますます推進されることを期待する。 |
事業名 | 石巻南浜津波復興祈念公園予定地への伝承連携拠点の設置および民間連携組織の構築 |
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団体名 | 公益社団法人 みらいサポート石巻 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県石巻市において、防災・地域づくり事業として震災学習を目的とする来訪者に向けて「語り部」「車中案内」のほか「防災まちあるき」等のプログラムを継続的に提供し、震災後の5年間を経る中でも参加者を毎年増加させている。本プロジェクトの第2回助成により2015年11月に整備した「南浜つなぐ館」は、週末のみの開館にも関わらず1年間に1.6万人が来館した。当地は、石巻南浜津波復興祈念公園予定地として、石巻市が国や宮城県との共同事業として整備するものだが、市民主体の伝承施設として公園計画にも位置付けられた。 本助成事業は、「南浜つなぐ館」の拡充整備に加え、住民参加、NPO同士の連携を目指すものである。本助成がこれまでの実績も活かし、関わりをもつ市民や活動団体の合意形成を丁寧に進め、震災伝承連携拠点の市民モデルに寄与することを期待す る。 |
事業名 | 高齢者、沿岸部よりの避難者が多く住む鶴ケ谷を、明るく元気にする交流事業 |
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団体名 | つるがや元気会 |
助成額 | 100万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県仙台市宮城野区において、高齢化率が38.3%と高い鶴ケ谷地区の住民が家に引きこもらず元気に活動するため、2009年に設立された。 本助成事業は、従来から抱える高齢者問題に加えて、震災の被害対応、避難者の受け入れ対応という地域の課題に対し、避難者を含めた高齢者対策として、健康・市民講座や童謡を歌う会の開催、憩いの場としての「ほっとカフェつるがや」の運営等を行うものである。家に閉じこもりがちな高齢者が外に出て他の方と交流することは、健康管理、心理的な安定を促すことができる等、高齢者対策として社会的な意義が大きい。さらに、活動を通じて仲良くなった住民同士の見守り活動が始まる等、住民同士の主体的な取り組みも見られることから第3回助成に続き、本助成とした。地域の中での多世代交流の促進や担い手づくり、さらには、地域の諸団体と連携した取り組みが進み、地域再生に寄与することを期待する。 |
事業名 | 小高・南相馬の多世代交流を担う新たな居場所づくり・アクションプロジェクト |
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団体名 | 特定非営利活動法人 はらまち交流サポートセンター |
助成額 | 299万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県南相馬市において2004年の設立以来、観光・スポーツ・文化の側面から都市圏との交流人口拡大を図り、経済活性化を目指す活動を行ってきた。東日本大震災後は南相馬市の小高区において、仮設在住者・被災農家・地元高校生や大学生と連携し新たなまちづくりを目指したコミュニティ拠点づくりの実践活動を行っている。 本助成事業は、居住制限解除後のまちづくりに向けた世代間交流を促進させるべく、第3回助成により整備した交流拠点を活用した多世代間でのワークショップや復興朝市の開催等を通して、長期にわたる復興へ向けたコミュニティの再生を目指すものである。帰還率が低い相双地区の若者世代に対して、将来への夢や希望を繋ぎ日常生活を取り戻していくことは意義深い取り組みである。本助成が、復興への取り組みが長期化する中で、地域住民の積極的な関与・協働の推進に寄与することを期待する。 |
事業名 | 豊間に住んでみらっせ!子育て世帯定住促進プロジェクト |
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団体名 | ふるさと豊間復興協議会 |
助成額 | 325万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県いわき市において、豊間区内の諸団体と有志によって2011年に設立された。豊間区の復興を住民の立場で考える事業として、復興プランを行政との調整をしながら自主作成した。また、まちづくり専門家の力も借りながら拠点の建設やまちづくり合意形成のためのワークショップ等を実施している。 本助成事業は、震災前の620世帯から150世帯程度少なくなることが予想される地域の過疎化に対し、住民自らが区画整理後の未利用となる宅地に子育て世帯が定住することを目標とした、子育て支援を軸としたコミュニティ再構築の取り組みである。建築に関しての行政や専門家との連携はすでに実施しているが、ソフト面の充実は地域住民が主体となって取り組んでいくことから助成事業とした。本助成が、住民が主体的かつ楽しみながら、自らの地域を子育てに優しい地域に変えるための取り組みに寄与することを期待する。 |
事業名 | 内陸避難者奥州絆作り事業 |
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団体名 | 奥州つばき絆の会 |
助成額 | 50万円 |
選考理由 | 本団体は、岩手県奥州市において、内陸避難者の情報交換および相互協力のための活動を目的として震災後に設立された。 岩手県の内陸にある奥州市では震災による津波の影響により沿岸からの避難者を受け入れているが、高齢者が多く、交通の便や病院への通院を考えると、避難先での永住を決断する避難者が多くなっている。しかしながら、受け入れ先においても、被災者という認識から対応を意識し過ぎ、避難先地域住民と避難者との交流に温度差が生まれるケースがある。また、高齢者を中心として地域コミュニティに溶け込めない避難者が少なくないことから、避難者が互いに忌憚なく話し相談できる場が必要となっている。 本助成事業は、見知らぬ土地で生活している避難者が月に数回集まり、料理や大正琴、グランドゴルフ等を通じて心の交流を図るものである。本助成により、避難者が孤立することなく地域での自立と自律に寄与することを期待する。 |
事業名 | 障がい当事者とその母たちによる「地域活動支援センター」開設・運営プロジェクト |
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団体名 | 一般社団法人 シャロームいしのまき |
助成額 | 255万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県石巻市において、精神障がい当事者およびその家族ならびにその支援者等が集い、「精神障がいを抱える誰もが、自分の悩みや苦労を担う主人公になる」ために、自分の苦労を語り合い、心の健康を目指すとともに、石巻地域の活性化のために起業することを目的として震災前に設立された。 宮城県石巻地域では、震災前から精神障がい・知的障がい、身体障がい当事者とその家族は地域住民とのコミュニケーションの機会が少ない状況であったが、震災により、ますますその機会が失われた。 本助成事業は、障がい当事者とその母たちによる地域活動支援センターの開設・運営を通じて、障がい当事者の社会進出を図るものである。本助成により、石巻地域の障がい当事者が生き生きとした日常生活をおくり、就労等の取り組みを通して地域社会に寄与することを期待する。 |
事業名 | 精神障害者社会参加応援グループホーム改築 |
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団体名 | 特定非営利活動法人だんでらいおん |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県仙台市において、精神障がい者が働くことの喜びや社会の一員ですることの責任や充実感を持ち、保護される側にいる精神障がい者が、そこから抜け出し、支援する側に少しでも移っていくことを目的として震災前に設立された。 若林区の沿岸部は津波により大きな被害を受け、多くの方が被災した。被災者の中には、心に傷を負った障がい者も含まれているが、若林区では障がい者の自立と社会復帰を支援するグループホームが震災前から不足しており、震災後、ますますグループホームの整備が必要な状況となった。 本助成事業は、被災地域において家族と同居できず、生活の見通しも立たない障がい者のためのグループホーム改築・増床を行うものである。本助成により、被災地域の障がい者の生活基盤が整い、近隣住民との関係構築が進んでいくことを期待する。 |
事業名 | HELLO!FUKUSHIMA FOODS!~海外の高校生と発信する福島の食~ |
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団体名 | 特定非営利活動法人 ドリームサポート福島 |
助成額 | 499万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県福島市において、国際交流を行う団体への支援事業、農商工連携・6次化産業等に関わる事業、東日本大震災での現状課題と対応策および今後も起こりうる自然災害について検討する活動への支援事業等を通じて、日本における地域活性化に寄与することを目的として震災後に設立された。 福島県では、2017年2月の消費庁の調査で県産食品の購入をためらう都市圏消費者の割合が15.0%となる等、国内での原発事故による風評払拭が十分と言えない状況であるのに加え、海外でも輸入停止の規制を設ける等、厳しい目で見られている状況が続いている。 本助成事業は、放射線に対する不安感を持つ海外の高校生を招き、福島県の高校生とともに放射線の現状や食の安全性についての学びと発表を行い、その取り組みを地元メディアの活用により広く発信するものである。本助成により、国内だけでなく海外においても風評被害の払拭に寄与することを期待する。 |
事業名 | 障がい者と地域住民及び観光客の交流 農福商工連携着地交流型ワイナリー事業 |
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団体名 | 認定特定非営利活動法人 みどりの杜福祉会 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県いわき市において、働く意欲がありながら一般企業での就労が難しい障がい者に対して、就労の機会および生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上を図ることを目的として震災前に設立された。 福島県いわき市は原発事故の風評により、農産物や観光業が大きな打撃を受けた。このことにより、震災前より困難であった障がい者の一般就労は、ますます困難な状況となった。 本団体は障がい者が生き生きと働く場の創出を目指して2010年よりいわき市内の耕作放棄地を利用し、ワイン用のブドウ栽培を行い、2015年からはワイナリーの運営も始めた。本助成事業は、ワイナリー内にワインショップを建設して障がい者の働く場を確保するとともに、いわき産のブドウを使用したワインの安全・安心を全国に発信するものである。 本助成が、障がい者の就労場所の確保と自立支援、福島県産の農産物の風評被害の早期払拭に寄与することを期待する。 |
事業名 | 在宅医療コーディネートの活性化事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 北三陸塾 |
助成額 | 400万円 |
選考理由 | 本団体は、岩手県久慈市において、在宅および施設入所者を含む、地域全体の療養が必要な方および介護が必要な方を関係機関が連携して支援する体制づくりを進めることを目的として震災後に設立された。 久慈市及び周辺地域では被災者を含め高齢化が進む反面、訪問診療の未整備、医師・看護師の確保等、地域の実情に合わせた在宅医療体制の確立が急務となっているため、本団体は、ICT(情報通信技術)を活用した地域医療福祉情報連携ネットワーク「北三陸ネット」を構築するとともに、地域包括ケア体制の強化に取り組んでいる。 本助成事業は、地域住民に対し、地域包括ケアに係る知識の取得を図るとともに、医療・介護の専門団体とのコミュニケーション手段を強化し、地域連携コーディネート機関として活動を促進することである。本助成が地域における安心・安全な生活環境の再生に寄与することを期待する。 |
事業名 | 被災地域における市民及び支援者相互のコミュニティ再形成事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 いわて連携復興センター |
助成額 | 299万円 |
選考理由 | 本団体は、東日本大震災において甚大な被害のあった岩手県沿岸の復興に向け、必要な情報・技術を提供し、地域住民における地域復興を実現することを目的として震災後に設立された。 岩手県沿岸部では、震災から6年が経過し、震災前から地域の課題であった「過疎化がもたらす地域社会の持続可能性」が顕在化してきた。この課題は全国に存在するものであるが、震災の影響により地域コミュニティが崩壊している岩手県沿岸部においては加速化しており、課題解決の担い手として、地域住民、地域のNPO等が継続的な活動ができる体制、仕組みを構築することが求められている。 本助成事業は、被災地で活動する住民団体への訪問、現地会議や支援レポートによる情報発信により、社会課題に取り組む地域住民や団体のコーディネートを図るものである。本助成が岩手県沿岸における持続可能な地域社会の実現のために取り組む人々をつなぎ、地域のエンパワメントにつながることを期待する。 |
事業名 | 漁師も観光客も帰りたくなる町づくり~気仙沼の基幹産業である漁業の発展を軸とした水産と観光との融合~ |
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団体名 | 気仙沼つばき会 |
助成額 | 237万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県気仙沼市において、女性目線で気仙沼市を広くPRしつつ、訪れる観光客に心温まるおもてなしをすることで、誘客促進、地域の活性化を図ることを目的として震災前に設立された。 宮城県気仙沼市の基幹産業である漁業は、震災前より資源管理による減船や船員の確保難により、厳しい環境にさらされていたが、震災でさらに大きな打撃を受けた。また、漁業の低迷による港の活力低下は、気仙沼市の活力低下に繋がり、もう一つの基幹産業である観光業にも大きな打撃を与えている。 本助成事業は、出漁の際に船を見送る「出船おくり」の実施、漁師の魅力を発信する「漁師カレンダー」の作成を通じ、水産資源の減少等により失われつつある港町の文化を維持・発展させ、漁船も観光客も帰りたくなる港町を目指すものである。本助成により、気仙沼市の漁業および観光が活性化することや、地域の女性たちの一層の活躍に寄与することを期待する。 |
事業名 | 高校生の主体性を育む地域教育の実践 |
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団体名 | 認定特定非営利活動法人 底上げ |
助成額 | 499万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県気仙沼市において、地域を担う若者に対して、主体的に課題に取り組むことができる場を提供することで、社会課題を若者が知り、課題の解決とともに住みよい地域社会の創造に寄与することを目的として震災後に設立された。 宮城県気仙沼市では、震災前より若者が進学を機に都市部へ出てそのまま就職することが多く、気仙沼に戻ってくる割合は半数となっている。また、震災後の復興計画に若者が参画しておらず、将来地域の担い手となる若者が暮らしたいと思うまちづくりが行われていない現状がある。 本助成事業は、気仙沼市、南三陸町の高校生が自由に集まり、自主的な活動拠点となる居場所の提供、高校生と地元の大人の交流、地域課題に取り組み発表する場を持つことに加え、地元の高校を卒業した大学生との世代間交流を図るものである。これらの取り組みがきっかけとなり、気仙沼市、南三陸町に若者が戻り、地域の継続した発展に寄与することを期待する。 |
事業名 | 被災地NPOの広域連携と持続的活動のための支援事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 いしのまきNPOセンター |
助成額 | 299万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県石巻市において、NPOや市民団体が活動しやすい環境をつくり、各団体の発展に寄与することを目的として震災前に設立された。 震災から6年が経過し、助成金の減少や緊急雇用制度等の支援策の終了により、地域住民に必要な活動を行っている団体でも資金不足から撤退や解散を余儀なくされるケースも少なくない。このような中、行政からの業務委託や企業、個人からの寄附を集めるためには、各団体の理念や活動内容の周知を図る必要がある。 本助成事業は、石巻圏域のNPO等市民団体の活動内容を行政や企業、市民へ情報発信できる仕組みを構築することで、これらの団体に対する支援の機運を醸成すること、さらには連携組織を宮城県北沿岸部(気仙沼市、南三陸町等)にも広げ、各団体の持続的な活動に繋げるものである。本助成により、県北の市民活動が活発になり、地域の課題解決に対してさまざまな担い手や手法での取り組みがすすむことを期待する。 期待する。 |
事業名 | カーシェアリングによるコミュニティサポート及びその継続支援のための体制づくり |
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団体名 | 一般社団法人 日本カーシェアリング協会 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 | 本団体は、宮城県石巻市において、カーシェアリングを中心とした車を活用した社会貢献活動を普及させることを目的として震災直後に設立された。 宮城県石巻市では福祉における行政サービスと民間サービスの限界を認識し、「地域包括ケアシステムの構築」を最重要テーマとして地域の互助活動の活性化に取り組んでいる。本団体は、石巻市と専門家とともに「石巻エコEVカーシェアリング検討委員会」を結成し、地域の互助組織がカーシェアリングを活用し、交通弱者の生活を近隣住民がケアする自律的な互助活動のモデル化に取り組み、他地区での転用にも成功した。 本助成事業は、防潮堤建設に伴い活動拠点を移転する必要がある中、ユニットハウスの設置により新たな活動拠点を整備するとともに、復興公営住宅へ住民主体で運営するカーシェアリングを導入し、移動支援・コミュニティ形成促進・防災機能強化を図るものである。本助成が復興公営住宅でのコミュニティ構築に寄与することを期待する。 |
事業名 | パークゴルフ場の利活用による地域コミュニティ再生の拠点作りと交流人口の拡大事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 野馬追の里パークゴルフ |
助成額 | 151万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県南相馬市にあった3団体が合併して、パークゴルフの普及啓発等を通して南相馬市の復興に寄与することを目的として設立された。 福島県南相馬市は大震災による津波、原発事故により甚大な被害を受け、一部地域は避難指示区域に指定されていたが、2016年7月の小高区の避難指示解除により帰還困難区域を除く市内全域が避難指示区域の対象外となったことから、今後の復興・創生に向け、避難住民の帰還、地域コミュニティ再生および地域に人を呼び込むこと等が重要課題となっている。 本助成事業は、集会用テントの利活用によりパークゴルフ場の利便性を高めることで、避難住民を含めた南相馬市民が集まる機会を創出するほか、県内外から利用者を呼び込み、交流人口の増加を図るものである。本助成により、南相馬市の地域コミュニティ再生と地域活性化に寄与することを期待する。 |
事業名 | フラガールのふるさといわき推進事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人 フラガールズ甲子園 |
助成額 | 400万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県いわき市において、フラダンスの祭典である全国高等学校フラガールズ甲子園競技大会を開催することで、高校生の人間形成と地域社会の活性化に寄与することを目的として、震災後に設立された。 いわき市の海岸地区では海岸堤防や防災緑地の整備、住宅用地の造成が続いているが復興は道半ばであり、風化も拡がっている。加えて原発事故による風評被害への対応も大きな課題となっている。このような中、本団体はフラダンス文化普及事業を通じて、いわき市の復興再生に貢献してきた。 本助成事業はフラガールズ甲子園の支援をもとに、フラ文化の普及による高校生の教育やいわき市の文化の向上、震災の風化防止や風評被害の払拭、観光支援、交流人口の拡大を図るものである。本助成によりいわきからのフラ文化が発信され、交流人口の拡大等の地域活性化に寄与することを期待する。 |
事業名 | ~新たなる未来へ~ みんなの絆サロン! |
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団体名 | 社会福祉法人 会津若松市社会福祉協議会 |
助成額 | 233万円 |
選考理由 | 本団体は、福島県会津若松市において、社会福祉事業の健全な発達および社会福祉活動の活性化を通じ、地域福祉の推進を図ることを目的として震災前に設立された。 会津若松市には震災による津波および原発事故の影響により沿岸部から被災者が避難しているが、復興公営住宅への転居に伴い、これまでの避難生活で築いた繋がりが途絶え、新しい生活への不安を抱いている方、住宅環境になじめない方、孤立する方への見守り訪問活動やネットワークの強化とともに、住民が交流できる場づくりと参加への支援が必要となっている。 本助成事業は、沿岸部からの避難者を対象としたサロンを開催して、住民が気兼ねなく集うことにより、仲間づくりや生きがいづくり、健康保持を図る。避難者支援が先細る中、本助成が沿岸部からの被災者の生きがいづくりや心のサポートに寄与することを期待する。 |