【開催報告】7/12 自治体職員のためのNPO講座

2016年7月12日(火)、かながわ県民センターにて、「日本NPOセンター設立20周年記念事業 自治体職員のためのNPO講座」を開催しました。その概要をご紹介します。今回は、全国30都道府県から、82名の方にご参加いただきました。改めまして、心より御礼を申し上げます。

2017来年度の「自治体職員のためのNPO講座」は、7/13(木)に同じくかながわ県民センターにて開催する予定です。詳細は、改めてご案内いたします。ぜひご予定ください。

【レクチャー1】「NPOの基礎」

講師 早瀬昇 日本NPOセンター代表理事

Lecture1_20160712レクチャー1では、市民活動とは何であるか、ボランタリーが持つ力とともに紹介しました。また、非営利法人制度等の整理を行い、その歴史や概念とともに説明しました。
さらに、一般市民が「当事者性」を持つ行為としての、「市民の参加」の重要性をお話ししました。
NPOは、当事者(活動の対象者)に対してだけでなく、支援者に寄付やボランティアなどを通じた「参加の機会」と共感想像力を提供し、社会課題を「自分事」と考える「市民」を創造する存在であると、行政の方々へのメッセージとしてお伝えしました。

【レクチャー2】「支援と協働」

講師 田尻佳史 日本NPOセンター常務理事

Lecture2_20160712レクチャー2では、行政からNPOに対して必要な「支援」として、活動を応援するものもあれば、組織を持続可能なものになる支えがあり、具体的な支援メニューとともにお話しました。
特に、制度整備による支援および情報提供(情報を繋ぐ)による支援にさらに取り組むことが必要だとお伝えしました。
一方、対等な関係性において行われる「協働」について説明しました。
また、特に市町村では、関係の近さを活かし、行政と特定のNPOの2者だけでなく、地域における多様な主体(マルチステークホルダー)による課題解決の取り組みが有効です。協働を進める上での行政としての姿勢を8つのキーワードとしてお伝えしました。
■参考
行政と協働するNPOの8つの姿勢
「知っておきたいNPOのこと3【協働編】」では自治体職員有志が策定した「NPOと協働する行政職員の8つの姿勢」を収録しています。

【レクチャー3】「支援の現状」

講師 椎野修平 日本NPOセンター特別研究員

Lecture3_20160712レクチャー3では、NPO支援施策、および市民活動の定義にかかる法律や文書を紹介し、その思想やあり方を紹介しました。
さらに、市民活動支援を行ういわゆるNPO支援センターの指定管理者制度の在り方について言及しました。また、現在とりまとめを行っている「NPO支援センター実態調査」および、認定NPO法人・条例指定NPO法人の調査結果内容から、現在の支援施策状況について見えてくることについてお話しました。

【レクチャー4】「これからの『協働のあり方』としての評価」

講師 今田克司 日本NPOセンター常務理事

Lecture4_20160712レクチャー4では、評価は、それによって「誰が何をするためのもの」であるかを考えることが重要であり、事業の入り口である計画段階に評価軸を関係者が共有して取り組むことがキーポイントである、という評価の基本的な考え方をお話ししました。
さらに、最近の評価の潮流と、行政評価の特徴・課題を紹介しました。
その上で、市民不在のアカウンタビリティの課題を指摘し、市民が参加する「参加型評価」に向けた工夫を示しました。市民とともに評価を行うためにも、NPOが「協働」の相手となります。
評価は、敬遠されるものではなく、未来に活かす学びを得るために、大いに活用できるものとして付き合うことができるというメッセージをお伝えしました。