はじめに
本報告書は、日本全国のNPO支援センターの実態を把握することにより、今後のNPO支援やNPO支援センターのあり方を検討するための基礎資料として活用することを目的に実施したアンケート調査を分析したものです。
日本NPOセンターでは2007年度に第1回の調査を実施し、第2回の調査となった今回は2012年度の経営及び事業活動の実態を調査するため、2013年3月に実施しました。
そもそも、特定非営利活動促進法上の「特定非営利活動」の一つである「運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動」に取り組むとしている特定非営利活動法人は、約2万2千団体もあります。そこで、今回の調査ではNPO支援センターを「(1)NPOの組織支援を主にしている、(2)常設の拠点がある、(3)NPOの組織相談に対応できるスタッフが常駐している、(4)分野を限定せずに支援をしている」の4点を満たす団体を「NPO支援センター」と定義し、日本NPOセンターで把握していた334団体に加えて、インターネット上の情報で上記条件に当てはまる可能性のある団体にも郵送調査を行い、両者合わせて250団体から回答を得ました。
その結果は本報告書で詳しく分析していますが、今後、市民活動を推進していく上で注目すべき内容が多いと思います。
2012年度NPO支援センター実態調査報告書のダウンロード (PDF)
報告書の購入をご希望の方はこちら。
<以下、『2012年度NPO支援センター実態調査報告書』の「2.調査の概要」より抜粋>
1.調査の目的
本調査は、NPOセクターの基盤強化を図る事業の一環として実施したものであり、全国のNPO支援センターの実態を把握することにより、今後のNPO支援やNPO支援センターのあり方などを検討するうえでの基礎資料とすることを目的としている。
NPO支援センター調査は、2007年度に第1回目を実施しており、今回の調査は第2回目となる。本調査の結果については、日本NPOセンターの今後の事業企画に反映させるとともに、調査にご協力をいただいた全国のNPO支援センターとも共有して、我が国のNPOセクターの発展のために活用していきたい。
2.NPO支援センターの定義
本調査におけるNPO支援センターとは、以下の条件に当てはまる団体・拠点を指す。
(1)NPOの組織支援を主たる目的としている。
(2)常設の拠点がある。
(3)NPOの組織相談に対応できるスタッフが常駐している。
(4)分野を限定せずに支援をしている。
3.NPO支援センターの類型
前回の調査では、NPO支援センターを「公設公営」「公設民営」「民設民営」の3種類に類型化したが、質問項目が異なり全体の比較が十分に出来ない面があった。また、組織をNPO支援センターと称する場合と施設をNPO支援センターと称する場合があるほか、民間のNPO支援センターが独自事業と並行して行政のNPO支援施設の運営を行っているケースや行政のNPO支援施設の運営のみを行っているケースがあるため、「NPO支援センター」が何を指すのか分かり難い面があった。
そこで、今回の調査ではNPO支援センターを「行政が設置し、行政が運営」「行政が設置し、行政と民間で運営」「行政が設置し、民間が運営」「民間が設置し、民間が運営」の4種類に類型化したうえで、当該組織を対象に調査を行うこととした。
4.調査内容
本調査では、「組織としてのNPO支援センター」及び「その組織の運営状況」、並びに「その組織が運営する施設運営事業(ハード事業)」及び「その組織が実施している施設運営以外の事業(ソフト事業)」などを系統的に把握することを目的とし、以下の内容を主なテーマとして質問項目を構成した。
(1)基本情報について
- 設立者と運営者の関係
- 行政と民間の関係
(2)組織運営について
- 運営経費
- 行政財源と民間財源の関係
- 種別ごとの財源内訳
- 組織体制(理事、スタッフ、会員、ボランティア、外部機関)
- ICTの活用状況
(3)事業実施状況について
- ハード事業(施設運営事業)
- ソフト事業(施設運営事業以外の事業)
(4)東日本大震災に関する取り組みについて
(5)新しい公共支援事業に関する取り組みについて
(6)現状と課題について
- 地域課題の把握方法
- NPOの実態の把握方法
- 運営上の課題
(7)今後の展望について
- 3年後の展望
5.調査方法
(1)調査対象・規模
- 第1次調査は、2007年度に実施した第1回調査で把握し日本NPOセンターのホームページの「NPO支援センター一覧」に掲載されている全国334のNPO支援センターを対象とした。
- 第2次調査は、第1次調査で対象としたもの以外に、インターネット上でNPO支援センターの可能性があるものとして抽出した250団体にアンケートを送付し、補足対象とした。
(2)実施方法
- 郵送による紙面アンケートを基本として、調査票の電子データをe-mailでも併行して送付した。
- 配布回収期間
第1次調査 2013年3月13日~5月31日
第2次調査 2013年3月29日~5月31日
(3)回収結果
- 第1次調査の回収数 212件(63.5%)
- 第2次調査の回収数 38件
- 合計回収数 250件
*第2次調査については、NPO支援センターに合致しているかどうかが分からない状態で調査票を送付したものであり、回収率とするのは相応しくないと判断した。
関連リンク
・真価が問われるNPO支援センター
(日本NPOセンター 代表理事 早瀬昇 『視点・論点』2013年7月20日投稿)
・2007年度NPO支援センター実態調査結果
(日本NPOセンター 機関誌『NPOのひろば』51号・52号より抜粋)