特定助成助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
応募状況(PDF)
テーマ | コミュニティ形成に関わるコーディネート能力の向上とニーズ等把握の聞く力の向上 |
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団体名 | 特定非営利活動法人陸前たがだ八起プロジェクト |
代表者 | 代表理事 佐々木 眞 |
助成額 | 460万円 |
選考理由 |
この団体は、陸前高田市の仮設住宅で、被災者主体の生活・コミュニティ再建支援に取り組んでいる。仮設住宅自治会と協働で、外部ボランティアを受け入れるコーディネートや、畑や手芸を通じた住民の生きがいつくりを支援している。(設立2011年、法人化2012年) 支援のあり方は、地域コミュニティの形成や交流を深めるための支援へと徐々に移りつつある。住民やコミュニティの隠れたニーズを拾うために、現地NPOの活躍が今後益々求められる。本課題に対して継続的に取り組んでゆくためには、現場スタッフのコーディネート・企画力と“聞く力”のスキル向上が必要である。中越地震の震災復興に携わったスーパーバイザーの知見が生かせることを評価したい。 本助成を有効に活用して、仮設住宅で被災者の自立・生活再建支援に取り組む現地NPOとして、スタッフのスキル向上・組織強化に資する人材育成を充実させ、基盤強化を図っていくことを期待する。 |
テーマ | 波及性の高い学習支援活動を展開するためのスーパーバイザー育成 |
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団体名 | 特定非営利活動法人アスイク |
代表者 | 代表理事 大橋 雄介 |
助成額 | 400万円 |
選考理由 |
この団体は、被災した子どもを対象に、宮城県において子どもの学習遅れや意欲の低下を防ぐために、避難所で学習サポートを行うべく設立された。その後、仮設住宅などでの生活を余儀なくされている子どもたちへの学習サポートへと移行するが、継続性、教育効果、支援の規模等を考慮した支援を進めるためには、多様な主体との連携や新たなサポート方法が必要となってきている。また、継続支援については、実施する団体側の課題だけでなく、被災により生活面での困窮状態にある家庭への負担を軽減することも重要である。そこで、新たに導入した仕組みがEラーニングである。 被災地では外部からの支援団体の活動変化や撤退により、継続した支援を行う地元団体のあり方も問われはじめている。そのような中でEラーニングという新たな手法によるチャレンジングな取り組みに期待すると同時に、遠距離サポートを可能にするEラーニングゆえに、学習支援者であるインストラクターのフォローが必要であり、今回の応募によるスーパーバイザーの育成は有効と思う。本助成を効果的に活用して人材育成計画を充実させ、将来の組織基盤強化を図っていくことを期待したい。 |
テーマ | 「教育を通じた“まちづくり”コミュニティーの形成」マネジメント人材の育成 |
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団体名 | 一般社団法人南三陸町復興推進ネットワーク |
代表者 | 代表理事 及川 博道 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 |
この団体は、自らも被災した代表者やメンバーが震災直後から南三陸町で実施してきた支援活動を通じて得たリソースを、継続的な活動にすべく設立された。団体設立後は、特に小中学生への学習支援や若手世代のまちづくりへの参加を促す活動を中心に取り組み、数多くの事業を展開している。(法人設立 2012年) 取り組むべき課題として捉えている、世代や属性に関わらないまちづくりコミュニティーの形成を推し進めるために、団体の実施している複数の事業を横断的にマネジメントできる事務局スタッフの育成強化は重要と思われる。育成研修の多くを既存事業のOJTに委ねる意味は充分に理解でき、今後の事業展開のきっかけとなる研修や、充実したフォロー体制といった研修計画を、高く評価する。 継続的な活動を実施していく上で、本助成が団体の人材面での課題解決の尾端となるよう有効に活用し、将来の組織運営強化を図っていくことを期待する。 |
テーマ | ボランティアコーディネーターの育成及び受け入れ体制の基盤強化 |
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団体名 | 特定非営利活動法人みやぎ宅老連絡会 |
代表者 | 代表理事 伊藤 壽美子 |
助成額 | 380万円 |
選考理由 |
16年前に設立されたこの連絡会は、人としての尊厳を大切にした介護に取り組みたいという思いを持った宅老所関係者が、情報交換等を通じて団体のサービスをさらに向上させることを目的としている。被災直後は、介護事業所の被災状況の確認をはじめ必要に応じたサポートを展開。その後は、仮設/借り上げ住宅で生活する高齢者等への生活支援などを実施している。 この助成では、介護事業者の連絡調整、情報交換などを主たる業務として行ってきた連絡会自体が、長期化する復興期において、ボランティアを積極的に受け入れた事業展開を進めるために、ボランティアコーディネーターを育成するというものである。 介護保険制度の導入により、専門家によるサービス提供の介護が進んでいるが、制度だけではカバーできない部分に対して、ボランティアが支援をすることは大切である。本助成を有効に活用して、ボランティアを受け入れるための組織基盤が強化されることを期待したい。 |
テーマ | 南三陸復興支援組織としての組織基盤強化のためのスタッフ育成 |
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団体名 | 特定非営利活動法人みらい南三陸 |
代表者 | 理事長 下山 うめよ |
助成額 | 410万円 |
選考理由 |
この団体は、震災直後から、南三陸町と登米市のはざまにある避難所等での、公的支援が行き届きにく地区での支援活動を積極的に行ってきた、様々な支援団体とネットワークをつくり、現在、そのネットワークを基に仮設住宅の支援活動を継続している。(設立2011年 法人化2012年) 震災後1年6ヶ月、人材面での課題として、これまで他府県からのボランティアとともに支援活動を実施していたが、時間が経つにつれボランティアは激減し、外部に頼らない復興支援にシフトしてきた。 本助成により、事務的能力に長けたスタッフを育成することは、団体の組織基盤が強化され、継続的な支援活動につながると思われる。 又、事務スキルアップ研修を支援現場において公開セミナー形式で行うことは、仮設住宅の市民へのメリットともなり、費用対効果の高い計画となっている。本助成で人材面の課題をすべて解消することは難しいと思われるが、この助成を有効に活用し、組織基盤強化を図っていくことを期待する。 |
テーマ | 障害児等の支援における専門スタッフ育成プロジェクト |
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団体名 | 特定非営利活動法人みやぎ子ども養育支援の会 |
代表者 | 理事長 木村 孝禅 |
助成額 | 500万円 |
選考理由 |
この団体は、任意団体として2011年11月に活動を開始し、子育て相談、障害児のデイケア、ファミリーホームの建設や運営など震災後の石巻市の震災孤児や障害児の支援を明確なテーマにしている。現在、仮設住宅に対し、出前の保護者相談支援、子育てサロンを行っている(「にこにこサロン」)。孤児に関しては、里子さんの7~8割が何らかの障がいを持ち、養護施設を出た後の就労についても困難を抱えている。また、石巻には、児童養護施設が無く、代表の木村氏は、数人でも預かるため自宅を改装し施設を創設(ファミリーホーム「子どもの家きむら」(小規模住居型児童養育事業))しようとしている。 将来ビジョンとしては、サロン利用者の進路を確保するため、就労支援事業を実施する予定である。また、事務所もファミリーホームの1階に建設中であり子どもの支援に加えて、高齢者も含め、支援の素地のない石巻において地域の環境を整えることで支援の基盤を作ってゆく。 持続的な活動を展開するためにスタッフの雇用継続と育成の意思が強く感じられ、今回の助成による人材育成・組織強化に大きく期待したい。 |
テーマ | 高齢者密集地への組織的移動販売による支援のための人材育成事業 |
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団体名 | 特定非営利活動法人福島ライフエイド |
代表者 | 理事長 宇津木 政人 |
助成額 | 300万円 |
選考理由 |
被災地で開始した炊き出し活動をきっかけに、仮設住宅に居住する高齢者や障がい者が買い物難民になっている実情に接し、さらにその課題は、地域の高齢化や過疎化に伴う恒常的なものでもある点に着目し、その解決の一助として、組織的な移動販売を行う計画を進めている。今回のプロジェクトは、そのための人材育成が目的である。 震災直後の支援活動から移動販売を構想し、かつその実現にあたって他の団体との連携も進めている点が、地域に根差した協働の取り組みとして評価される。このような移動販売活動は、仮設住宅の住民への支援といった震災に直結する課題にアプローチすると同時に、地域に恒常的に存在し、今後はさらに切実なものとなるであろう高齢化・過疎化への対策としても有効性であろう。 応募団体は活動歴が浅く、未知数の要素もあるが、人材育成によって、地域の要請に応えるための基盤強化につながることを期待する。 |