-転機。組織基盤強化の必要性を実感-
私たちは発達障害のある人とその家族が、人格の尊厳を保って、安心して暮らせる社会づくりに貢献するという事をミッションに活動しているNPOです。自分を語れる当事者、発達障害を理解する市民、アドボカシーできる職員の三者がお互いに育って理解を深めることを願って子供支援事業、保護者等支援事業の二つを実施しています。2011年、当団体を取り巻く環境が大きく変化しました。東日本大震災、理事長の急逝、6名中3名の新理事という体制変化、NPO初心者にして私が代表理事に就任、銀行からの融資。活動すら危ぶまれる状況となり、組織の問題点が見えてきました。その背景には「情報共有」、「役割分担」、「当事者意識」といった課題があり、そこでパナソニックサポートファンドを活用しようと考えました。
-助成3年目のいま、振り返る。組織診断、中期計画、アクションプラン-
1年目は、組織診断です。まずは「うちのミッション言える?」から始まりました。その組織診断結果から中期計画策定を最優先目標課題と考え取り掛かりました。これを通じ3年間の中期計画が出来あがり、あわせて計画の実現に向けたアクションプラン策定にも取り掛かりました。1年目の成果は、「中期計画を策定出来た」、「策定を通じ全職員で意識共有出来た」、「個の業務から組織全体を見る」という点です。第三者の視点を入れながら中期計画が出来た事で、法人の歩む方向が内部でも見えやすくなり、スタッフの疲弊感や徒労感も解消されましたし、対外的にも活動や展望を発信しやすい状況がうまれました。
2年目は、中堅職員育成と活動拠点の確保にも取り組みました。そこで目標に向かって必要と感じたアクションプランを作成して取り組みました。「自分たちのためでなく、活動の先にある「人」の事を考えて行動する」。これは全職員1日集中型研修というのを行いましたその時のある職員の言葉です。1年目から更にアップしたモチベーションは、組織運営の力強い下支えになりました。売上高が伸び悩んだ大変な時にも、どんな風にやろうかと職員全員で話し合いました。これまでは一つ課題が起きると「どうしよう(でもまあいいか)」というのが真っ先に出て来たのですが、こんな風に話し合って解決していける力が増えているのを強く感じました。
2年間の成果は、1点目は中期計画、アクションプランができ、見通しのある運営ができること。2点目は利用者増が運営の安定に繋がる、という点ですし、これらを考える上でやはり大切なのは人材、人だなと痛感しました。実は助成を受ける前までは、「収入の安定が経営の安定」と思っていたのですが、そうではないなく、やはり人材こそ経営の安定にして組織基盤強化の肝だと強く感じたことも大きな成果だったと思っています。そして今後の組織基盤強化とは、中期計画と行アクションプランの実施・継続にあると考えています。
現在助成3年目となり、中期計画は2年目です。来年サポートファンドの報告が出来る頃には、新しいことが進んでいますというお話が出来るように頑張っていきたいと思いますし、ぜひ皆様の応援をよろしくお願いいたします。