環境ネットワークくまもとは、「私たちの命を育む環境を次世代へ引き継いでいくため、それぞれの独自性を尊重しながら、個人や各グループの情報を共有・公開し、環境保全意識の拡大と環境保護運動への参加を図る」ということを目標に、1994年に発足しました。
活動の柱としては、①環境保護に取り組む個人・団体のネットワーク構築②市民への環境問題の啓発活動③行政・企業・NGOのパートナーシップコーディネートがあります。
発足当初は35団体150名で任意団体でのスタートでしたが、熊本を中心に多くの環境保全・普及啓発活動を行ってまいりました。
2008年には法人格を取得しましたが、設立から20年が経過した2014年には様々な組織課題に直面していました。
もともと「政策提案型組織」として長く活動をしてきましたが、組織の持続可能性の観点から「事業型NPO」として、経営のノウハウを取得する必要性が生まれ財源安定化のために事業立案が急務となりました。
そのためにはまず、「初期メンバー、理事、職員のビジョン共有」が必要な状況であり、「事業の役割分担や責任体制」も見直す必要がありました。
こうした組織の基盤とも言えるガバナンス構築やマネジメントを強化していくことが求められました。
こうして私たちのキャパシティビルディングへの挑戦が始まりました。
まず、組織基盤強化を行っていく上での目標を設定します。1年目は外部コンサルタントによる組織診断。そして、活動の進捗状況確認と将来像の共有を理事とスタッフで行っていくことを決めました。2年目には、外とのネットワークを強化することとビジネスモデルスキームの確立を目標としました。
まず、今後の目標の設定と法人経営の骨子となる事業執行体制づくりを行うため、SWOT分析や事業化基礎診断、ビジネスモデル診断、ビジネス化指標診断を実施。そして、役割分担や責任体制を明確化するため、総会・理事会・戦略会議・定例会議を定期的に行うことで、年間計画や事業方向性の共有、具体的な事業戦略、日常的な業務の進捗報告での確認作業など非常に具体的に自分たちの活動を見直していきました。
そして共有ビジョンとして「持続可能な地域づくりをプロデュース」していくことで方針が決定しました。
2年目にはビジネスモデルを形成するため、専門家とのネットワーク構築、先進事例のヒアリング、事業ブランティングを実施。「かんくまおひさまファンド」の事業化を図りました。
様々な動きの中で、国の制度をタイムリーに活用し、事業性を高め、かつ組織運営を支える資金を生み出すプロジェクトにすることができました。
組織診断を通じて、かんくまに関わる人々が改めて自分たちが行う活動を見直し、そしてそれが地域で生きる人のために役立つことなんだと気づくことが出来ました。
終わりに、私たちひとり一人が、ローカルな地域の課題にしっかりと目を向け「共に学び・気づき・育ち・変わる」中から、地域の風土・歴史・文化に根ざした地域固有の解決策を見出し、それを広くグローバルに共有することが、ひとつ一つの、ひとり一人の命の尊厳が保たれる社会の実現につながると確信します。