背景
2022年小中高生の自死数は1980年の統計開始以降で初めて500人を超えました。先進国(G7)のなかでも、15~34歳の若い世代の自死率は、他の国に比べて高いものとなっています。
学校や家庭だけでなく、安全で安心して過ごせる子ども・若者のサードプレイスである「居場所」が、「いのち」を守る重要な場所になっています。
本年度に、日本NPOセンターが実施した「不登校・ひきこもり支援にかかわる団体の活動実態調査」(2023年)においても、「居場所の運営」が支援活動の主たる取り組みの上位に挙げられました。 子ども・若者誰もが、自由に行くことができる「居場所」が多くあることで、子ども・若者が「いのち」をつなぎ、新たな一歩を踏み出せる、そのような支援に取り組む民間組織を支えることを目的に、新しい助成事業をスタートさせることにしました。
趣旨
本プログラムは、助けを求められない、助けを求める声があげられない子ども・若者のために、「居場所」を日常的かつ継続的に運営する団体を対象に応援します。特に、「いのち」をつなぎ、新たな一歩を踏み出すパーソナル支援を行う民間非営利団体を対象に助成します。
子ども・若者が安心で健康的な生活が送れるよう、武田薬品工業株式会社の支援を受けて、日本NPOセンターが取り組むものです。
本プログラムによる成果が各地で同様の活動に取り組む団体にも共有され、全国のモデルとして広がることも期待しています。
助成の対象となる取り組み
以下の取り組みに、すべて該当する事業を助成対象とします。
・非営利の民間団体が設置した「居場所」を、日常的かつ継続的に運営する事業
・生きづらさを抱える子ども・若者に対して、パーソナル支援を行う事業
・他団体と積極的に連携して行っている事業
助成の対象となる団体
下記の条件を満たす団体を助成の対象とします。
・民間の非営利組織であること。(法人格の有無や種類は問いません)
・団体設立後、本プログラムテーマについて、3年以上の活動実績を有していること。
・前年度の支出規模が5,000万円未満であること。
・団体の定款(会則)、前年度の事業報告書・会計報告書を有しており提出できること。
・NPO法人会計基準もしくはそれに準じた会計報告を実施している団体であること。
・活動の目的や内容が特定の政治・宗教に偏らず、反社会的勢力とは一切関わっていないこと。
※団体の役員等に医療関係者が含まれる場合、医薬品業界内ルールなどに照らして、利益相反防止の観点から、助成対象とならないと判断される場合があります。
選考方法
【選考方法】
外部有識者等で構成される選考委員会において選考を行い決定します。選考にあたり、事務局より応募内容等に関する問い合わせや、追加資料の提出、インタビュー等をお願いすることがあります。
【選考基準】
下記の点を基準として総合的に判断し選考します。
- 社会的意義:本プログラムで定める対象事業として、社会的意義が大きいと認めるプログラムであるか。
- 連携意思:課題解決のために、行政や他団体との連携に積極的なプログラムであるか。
- 長期展望:長期的視点を持った取り組みのプログラムであるか。
- 実施能力:応募団体に応募内容を実施するに十分な組織基盤や活動実績があるか。
- 実施体制:スケジュール・予算等が適切で活動の実現性が高い内容であるか。
【利益相反防止】
・本助成プログラムの関係者及び選考委員により公正な選考を実施するために、以下に挙げる申請と認められた場合は事前に事務局に申告し、該当団体からの申請の選考には関与しないこととします。
・選考委員が、役員や職員をつとめる団体からの申請
・選考委員が、プロジェクトの運営に関与がある団体からの申請
・その他、利益相反が疑われる関係性がある団体からの申請
・申請団体は、適用法令・医薬品業界内ルール及び武田薬品工業株式会社の社内規定などに照らして不適格と判断される場合や、武田薬品工業株式会社のビジネスへ有利な影響をもたらす可能性があると判断される場合は、助成対象とならない。
問合せ先(助成事務局)
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル245
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター「子ども/若者ライフサポートプログラム」事務局
kw-life-support@jnpoc.ne.jp