現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムでは、資金支援のほか、助成対象団体を主な対象とした「合同研修会」や「中間報告会」を助成期間中に実施しています。
現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する「人材育成」の取り組みを応援するものです。
このプログラムでは、助成による資金支援のほか、助成開始直後と半年の時点で「合同研修会」を実施し、助成対象団体で互いに育成事業について報告し交流する機会を設けています。
通常であれば団体の皆さんに集まっていただくところですが、新型コロナ感染症拡大の影響により、合同研修に代わりオンラインで中間報告会を実施し、助成対象団体4団体と選考委員を含み15名が参加しました。
はじめに、選考委員長の須田木綿子氏(東洋大学 教授)よりご挨拶をいただき、オンライン中間報告会をスタートしました。
参加4団体による育成事業の中間報告
これまで半年間の育成事業の進捗状況について育成スタッフから報告が行われました。
コロナ禍で外部研修はままならないものの、今できることとして資格取得の勉強に励んだり、内部の体制整備を行ったり、新入スタッフの教育係になるなど、人材育成の時間をしっかりと確保されていました。スーパーバイザーからは、スタッフとともに自らも学びの時間としている、スタッフが成長したのでスーパーバイザーという役目は不要に思う、といった声が聞かれました。
(助成対象団体)
<継続助成> 4団体
●特定非営利活動法人TEDIC(宮城県石巻市)
計画名:子ども・若者支援事業マネージャー養成プロジェクト Vol.2
●特定非営利活動法人みんなのひろば(福島県伊達市)
計画名:みんなのひろば事務局整備プロジェクト2020
●認定特定非営利活動法人ふくしまNPOネットワークセンター(福島県福島市)
計画名:復興連携の核となるスタッフの育成計画
●特定非営利活動法人チームふくしま(福島県福島市)
計画名:震災から生まれた物語の伝承・伝達するためのための人材育成事業
ブレイクアウトセッション
つづいては、スーパーバイザーと育成対象スタッフに分かれてブレイクアウトセッションを行いました。
スーパーバイザーのセッションでは、育成責任者としての課題感について共有しました。みえにくい人材育成の成果をどうはかるのか。また、組織の“人”に対する考え方や事業の質によっても育成の方法は変わる。育成以前に、働き手が働きやすい方法を選択できることが組織にとっても良いのかもしれない、といった内容が話し合われました。
育成スタッフのセッションでは、それぞれ悩みの共有とアドバイスの交換を行いました。スーパーバイザーとの距離の取り方や、情報発信についてTPOを意識する必要があること、またSNSの活用に関する話題で話が進みました。
総括コメント
(市民社会創造ファンド 山岡理事長)
・継続助成2年目の皆さんで、安心してリアリティをもって報告内容を聞くことができた。人材育成について大事なことは、自分の組織の立ち位置を理解するとともに、その組織の中での自分の立ち位置を理解している必要がある。育成スタッフのブレイクアウトセッションは、SVとの関係についても話題になった。SVが責任感を持って、スタッフへの要求水準を高く設定しすぎてしまうこともある。ほったらかしというのもだめ。スタッフの方から声をかけてSVに相談できるようになって欲しい。つかず離れず、相談できるときに相談できるのが良い関係である。SVもあまり責任を感じすぎずに取り組んでいって欲しい。
さいごに
前回に続いてオンラインでの中間報告会を実施しました。発災から10年がたち、本助成対象団体の皆さんもじっくり地域や組織のことを見つめながら人材育成に取り組まれるようになってきました。今回の研修でも一組織を担う人材から地域の人材に、という言葉も出てきましたが、地域の未来を見据えて、人材含め知恵や資源を社会で共有していく段階に入ってきたように思います。
本助成は、この9月で終了となりますが、今後も地域のパートナーとしてお互いに協力し、さまざまな“知”を共有していきたいと思います。
(記録作成:市民社会創造ファンド 山田・霜田)