仙台NPOのどんどこプロジェクト

立町マイスクール児童館のプロジェクトの最近のブログ記事

 年が明け、新年のお茶会のシーズンが終わるのを待って、この企画「茶の湯を知ろう」の実施です。
 今日の先生は、再来年で創業200年を向かえる茶道具の店「金源堂」の金ヶ崎伸二さんとお仲間の三浦さん、田口さんの3名です。


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 金ヶ崎さんは、親子5代に渡って立町小学校の卒業・在学という、生粋の立町っこの家系です。元PTAの会長でもあります。
 この3人が和装姿で、児童館でお茶会を催していきます。まなびのたねネットワークのメンバー2名も和装姿で望んでいます。和装姿が5人もそろうと、空気が凛としてきます。
 さらに、雑然とした児童館をお茶室に変えるため、大量のパネルを持ち込みボロ隠しをし、掛け軸をかけ、長板を置き、お花を生けました。即席のお茶室の完成です。


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 今日は、まなびのたねネットワークによる冒頭のヒアリングはなしです。金ヶ崎さんがお茶道具店の家業を継ぐに至った経緯、その間に勉強したこと、大学時代の恩師のことや立町小学校との関係について説明してくれました。そして、茶の湯の世界についても簡単に解説してくれました。

 


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 茶の湯の最初の体験は、正座の仕方からです。足の親指を重ねて、背筋を伸ばし、腕は水平に輪を作ったところから自然におろして膝の上に置きます。そして、お辞儀の仕方です。最も深い「真の礼」、少し礼を軽くした「業の礼」、軽い会釈の「草の礼」の仕方を学びました。また、扇子と懐紙の使い方も教わりました。

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 いよいよ入席です。茶道口に設定された所から、にじり入りの作法を教えてもらい、子どもたちが順番に一人ずつ、にじり入って行きます。幼稚園で茶の湯を習った子もいて、慣れた子もいます。


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 にじり入ると、床の間の前に座り、掛け軸と生け花の鑑賞です。小首をかしげ、のぞき込んでいる子どももいます。

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そして、仮の場所に座って行きます。全員が着座してところで、正式な場所への座替えを行い、いよいよ、お茶をいただく準備ができました。
 お茶をいただく前に、お菓子をいただきます。菓子皿から、懐紙にお菓子を取り分ける作法を学びます。菓子皿をちょっと持ち上げ、お隣さんにお先にと声をかけます。お隣さんは、草の礼で返します。懐紙の折側を自分に向けて置き、取り箸えお持ち手側を上からくるみつつ下に回って箸を持ち上げます。そして、お菓子を取り分け、汚れた箸先を懐紙で拭きます。
 ここまで出来たら、菓子皿をお隣さんに回します。今日のお菓子は、節分が近いので鬼をモチーフにしています。かわいい赤鬼と青鬼でした。


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 次は、黒もじの菓子切りを使ってのお菓子の食べ方です。懐紙を持ち上げ、4つに切り分け、美味しくいただきました。
 いよいよ、お茶のお点前です。先生が、茶碗を洗い、茶さじで抹茶を茶碗にすくい、お湯を注ぎ、茶筅でお茶を点てて行きます。

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 一人目の前に茶碗が出されました。茶碗を取り、茶碗をめでます。茶碗は正面を自分に向けて出されるので、二度ほど回し、正面をさけて呑口としていただきます。
 二人目からは、陰点ても交えながら、子どもたち全員にお茶が運ばれて行きます。ここで、和装姿の学びのたねネットワークが大活躍です。お茶席に花を添えています。

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 子どもたちの分が終わると、大人の番です。ゲストの校長先生、児童館の館長、そしてわたくしが子どもたちの監視の下で、お菓子とお茶をいただきました。ちょっと間違うと、子どもたちの容赦のない指摘が入ります。まるで試験です。
 一通り、お茶をいただいた後は、お茶を点てる体験です。抹茶とお湯がは入った茶碗を受け取り、茶筅で泡が立つようにスナップを効かせながらお茶を点てて行きます。最後は、校長先生を囲んで、わいわい、がやがやのお茶会でした。

 

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 お茶会が終わって、3回に渡っての「職人を知ろうシリーズ」の振り返りをプロジェクターの映像を使いながら、まなびのたねネットワークが行いました。子どもたちに記憶を蘇られてもらい、感想シートの宿題をだして、3回シリーズの終了です。宿題は、後日回収します。

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 第2回は、地元で代々カバンの製造販売の店を営んでいる菅井光男さん夫妻においでいただき「カバン職人を知ろう」を開催しました。

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 まずは、まなびのたねネットワークにより、菅井さんがなぜカバン職人になったのかについて、生い立ち、第二次世界大戦とのこと、家族や家業のことについて、ヒアリング形式で聞き出して行きます。
 戦争で兄が戦死し、本当は機関車のボイラーマンになりたかったが、家業を継ぐことになったこと。寡黙な職人だった父親は、親子でも何も教えてくれなかったこと。今は使われなくなったが車掌さんの使う切符やお金を入れておくカバンが主力商品だったこと。6年間使ったランドセルを使って小さなランドセルへのリメークに取り組んでいること。職人歴60年の重みのある話しが次から次へと出てきます。

 


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 今日は、話しを聞くだけではなく、実際にカバンづくりのさわりの部分(仕上げの部分)を子どもたちにも体験してもらうことにしています。巾着式の小銭入れの仕上げをしてみます。
 菅井さんご夫婦から、まずは道具の使い方や未加工の皮からカバンのパーツを型どりしていく工程、ミシン掛けの工程、金具付けの工程などの説明がありました。

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 そして、小銭入れの仕上げの工程として、穴あけポンチで皮に穴を開け、ヒモ通しを行い巾着にしていく恋うての説明がありました。穴あけポンチは簡単な作業ですが、たたき方、台からの抜き方と職人の知恵がこもっています。

 


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 この作業に子どもたちが挑戦です。テーブルの上でたたく子、床の上でたたく子、自分の作業しやすい体制で取り組み始めました。全部で16この穴を開け、ヒモを通し結んで行きます。最近の子は、ヒモ結びが出来ない子もいるんですね。

 


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 ヒモ通しが終わると、菅井さんの製品チェックを受けに行きます。OKがでたり、菅井さんの手直しが入ったり、ちょっとした手直し、アドバイスが参考になります。


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 一通りの作業が終わり、振り返りです。子どもたちからの参加しての感想を聞きました。なかなか穴が空かなくて大変だった。手をたたきそうになった。
 学区内のとある街角にある工場兼の店先で、毎日カバンづくりに取り組んでいるおじいさんが、みんな気になっていたようです。
 まなびにたねネットワークのスタッフが、カバン職人になって何か良いことはありましたかと聞きました。

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 「あぁ、何もなかったね」との答え。職人歴60年の寡黙なカバン職人は、言葉ではなく、その姿で、子どもたちに働くことの意味を伝えているかのようでした。

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 立町マイスクール児童館の「職人さんを知ろうシリーズ」は、子どもたちのキャリア教育をメインテーマとした取り組みです。将来大人になった時の職業観を育成するため、より年少の時期から、様々な職業の大人の話しを聞き、また体験することが有効だと言われています。
 立町マイスクール児童館のプロジェクトでは、NPO法人まなびのたねネットワークの協力により、子どもたちのキャリア教育に取り組みます。
 NPO法人まなびのたねネットワークは、キャリア教育の取り組みが認められ、平成20年に文部科学大臣賞を受賞しています。

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 第1回は、「科学者を知ろう」と言うことで、NPO法人ナチュラルサイエンスの協力により、プロペラ発電による発電量を音に変える電子基板の作成を通じて、科学者と言う職業に触れることを目的としました。


 最初に、まなびのたねネットワークのメンバーが、科学者ってどんな仕事なのか、科学者を目指した人達の動機などを、子どもたちが興味関心を持てるよう、科学者のお面などを使いながら解説して行きました。


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 そして、科学工作の開始です。ナチュラルサイエンスのメンバーが、コンピュータを分解し、電子基板の上に様々な部品が取り付けられ電子機器が動いていることを子どもたちに教えました。

 

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 そして今日は、この簡単なものを半田を使って、みんなでつくるとの説明がありました。子どもたちは、何が何やら分かっていません。
 いきなり、抵抗やコンデンサーの半田づけは出来ませんので、半田づけの練習からスタートです。初めて手にする半田ごてと半田、半田ごては熱いこと、プラスチック部分以外は触ると火傷をすることなどの注意があり、練習のスタートです。基盤の穴を半田で一つ一つ埋めていく練習です。最初は、おっかなびっくりの作業でしたが、5分も作業をするともう一人前です。


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 練習の仕上げに、基盤の一列を端から端までを半田づけする競争を行い、仕上げです。 いよいよ基盤の上に部品を半田づけしていく時間です。先生の指示に従いながら、抵抗やコンデンサー、スピーカー、配線などを半田づけして行きます。配線が一番大変で、大人たちも大あらわです。
 ちなみにこの日は、半田づけの経験があるスタッフを6名集めての実施です。

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部品が基板上に全部ついても、音が出ない子どももいます。どこかの接触不良なのでしょう。先生のところに持って行き、半田の付き具合を確かめてもらい、ほとんどの子どもは完成しました。数人は先生が預かり、完成させた後に子どもたちに渡すことにしました。 最初に、半田ごての使い方について火傷のことも含めて説明しましたが、やはり火傷をしてしまった子どもがいました。大事には至りませんでしたが、安全管理では反省材料となりました。

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 また、プログラムが難しすぎたとの反省も出されました。結果として、時間内でのプログラム消化が出来ず、再議に予定していた振り返りの時間は省略せざるを得ませんでした。 次回、まなびのたねにより、第1回の振り返りも行います。

テーマ

職人さんを知ろう ~子どもたちのキャリア教育~

プログラム3

タイトル

お茶の先生を知ろう

協力NPO

NPO法人まなびのたねネットワーク

その他協力者・関係者

金源堂・金ヶ崎さん

日時

平成21年1月31日(土)

場所

立町マイスクール児童館 地図はコチラ

狙い

子どもたちのキャリア学習の一環として、お茶の先生とふれあう(あそぶ)

プログラムの概要

地域で茶道具を扱って100年、茶道もたしなむご主人から、茶道の所作を学びます。
やはり、冒頭で「まなびのたねネットワーク」からの話が入ります。

テーマ

職人さんを知ろう ~子どもたちのキャリア教育~

プログラム2

タイトル

カバン職人を知ろう

協力NPO

NPO法人まなびのたねネットワーク

その他協力者・関係者

菅井光男カバン店・菅井光男さん

日時

平成20年12月6日(土)

場所

立町マイスクール児童館・遊戯室 地図はコチラ

狙い

子どもたちのキャリア学習の一環として、カバン職人とふれあう(あそぶ)

プログラムの概要

カバンづくり一筋の職人、菅井光男さんは、子どもたちが大切に使ったランドセルから、ミニチュアランドセルを作ったりもしています。カバン職人の技術を子どもたちに体験してもらいます。
やはり、冒頭で「まなびのたねネットワーク」からの話が入ります。

テーマ

職人さんを知ろう ~子どもたちのキャリア教育~

プログラム1

タイトル

科学者を知ろう

協力NPO

NPO法人まなびのたねネットワーク
NPO法人ナチュラルサイエンス

日時

平成20年10月25日(土)

場所

立町マイスクール児童館・遊戯室 地図はコチラ

狙い

子どもたちのキャリア学習の一環として、科学者とふれあう(あそぶ)

プログラムの概要

科学の面白さの普及に努めているナチュラルサイエンスのメンバーには、博士号を持っている科学者もいます。博士の科学実験を子どもたちに体験してもらいます。
それに先立ち、学校でのキャリア教育支援を行っている「まなびのたねネットワーク」のスタッフから、自分の未来を拓くためのキャリア学習について話をしてもらいます。

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