NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2019

社会福祉法人 ふたば保育園 ふたば児童館

山形県大石田町

エンジョイ★パラスポーツ!

タイトル エンジョイ★パラスポーツ!
協力NPO
  • NPO法人 まちづくり大石田
  • 大石田町社会福祉協議会
  • NPOパラスポーツ
その他協力者
  • ふたば児童館保護者会
  • ふたば・横山母親クラブ
  • ティーンズボランティア(中・高生ボランティア団体)
事業期間 2019年4月1日~11月30日
開催場所 ふたば児童センター、童心クラブ体育館
目的
  • 2020年に行われる東京オリンピックを視野に入れ、町内に住む身障者の方と触れ合いながらパラスポーツを体験することで、子どもたちが身障者の方たちの生活に目を向け、町内のバリアフリーの状況に関心を持つ。
  • 地域の方と子どもたちが、楽しく活動する中で『すべての人が暮らしやすいまちづくり』を一緒に考える。
概要
  • 身障者の会の方とのふれ合いの場を作る
  • NPOの方と一緒に体験活動を行っていく
    ・ 車いす体験
    ・ 地域のバリアフリー状況の調査→町内のバリアフリーマップ作り
    ・ パラスポーツについて調べる ・ 身障者の方の生活について知る
    【不便なことなどないか→改善する方法を模索できないか】
  • ふたばパラリンピック
    ・ これまでに体験した競技で競う
    ・ 体を動かした後は、みんなで交流を兼ねて芋煮会をする。

ふたば児童館について

連絡先

住所 〒999-4112
山形県大石田町緑町10-5
電話番号 0237-35-3171

レポート

当日の様子

パラスポーツ大会1

町内に住む身障者と交流しながらパラスポーツを楽しみました。1回目は「ボッチャ」「フライングディスク」を6、7月に取り組みました。大会当日はボッチャを低学年の部と、高学年の部に身しょう会2チームを加えトーナメント戦で対戦を行いました。フライングディスクはフリー参加の個人戦にしました。初めて体験する競技でしたが、日本中のパラスポーツへの関心の高まりに後押しされ、喜んで競技に取り組んでいました。

パラスポーツ大会2

2回目は陸上競技を中心に8、9月に取り組み「片足びっこ短距離走」「ジャベリックスロー(座位)」「めかくしリレー」「ラダーゲッター」を行いました。肢体障害、視覚障害の疑似体験を時々活動に織り交ぜながら練習を進めました。

ふたばパラリンピック

10、11月に「ゴールボール」「ラダーゲッター(団体)」に取り組み、全7種の競技を団体トーナメント戦やフリー参加個人戦で行いました。春からずっとパラスポーツを指導して下さった、山形障がい者スポーツ協会の方に審判の仕方を教えて頂き、協働NPOさんや保護者の方からも、審判をしてもらい行いました。町内に住む身障者の方も参加してくれました。

バリアフリー調査

各小学区に分かれ、町内全域の施設のバリアフリー状況を調査しました。今まで気づくことができなかったところにバリアフリーがあった事、逆にバリアフリーが進んでない地区もまだまだ多い事を知り、残念な気持ちの子ども達の様子がありました。雪対策で建物の基礎を高くする傾向が多い事も関係しているようです。

報告・感謝の会

今回お世話になった方々に感謝の気持ちをこめて報告会をしました。スライド写真で分かり易く、子ども達が主体的に発表することができました。

report_futaba01.jpg

よかったこと

普段の生活の中で、身障者を見かけることのない子ども達にとって、直接交流をしてスポーツを一緒に楽しめたことは、何よりの貴重な体験になったのではないでしょうか。視点を変えればすぐ隣に、身障者の生活があったことを知ることができました。

実際の生活の中で「困っている事」「もっとこうなればいいなあ」と実体験に基づいたお話を聞いたことで、その後のバリアフリー調査でも意欲的な子どもの姿がありました。家族間でも話をしたと教えてくれた子やお出かけの時にバリアフリーに目がいくようになったなど、関心の高まりを感じています。

子どもたちの声

  • 初めてするスポーツばかりでしたが、やってみるとどれも楽しかったです。
  • テレビで芸能人が体験しているのを見てやってみたいなあと思っていたら、今回いろいろなパラスポーツを体験することができて嬉しかったです。もっと違う競技にもチャレンジしてみたいと思いました。
  • 身障者の方とボッチャで対戦しました。とても上手で敵いませんでした。私たちは力が入りすぎて元気が良すぎるからだと笑っていました。とても楽しかったです。
  • 大石田町のバリアフリーは、ほとんど無くショックでした。普段の生活では気にも留めなかったけど、大石田に住む身障者は不便で大変だなと思いました。もっとバリアフリーが進めばいいなと思いました。
  • いつも買い物に行くスーパーの車椅子マークの駐車場を、利用している人がいるなんて知りませんでした。それからマナーの悪い健常者の利用が多いことにもショックでした。家族にも話をして絶対に停めないようにしたいと思いました。
  • 電車の中で席を譲りたいけど、話しかけるのが恥ずかしくて譲れないままにしたことがあります。今度からは勇気を出して譲りたいと思いました。

協力NPOの感想

パラスポーツを6月から教えて8月のパラスポーツ大会。きちんとルールを覚えてえらいなあと言う最初の印象でした。それからいくつかの競技を進めていき、11月のふたばパラリンピックでの久しぶりのみんなの競技をみたらびっくり、本当に上達していて驚きました。何度も競技に向き合ったんだな、練習したんだなと分かる素晴らしい大会でした。とても嬉しくなりました。

その他協力者の感想

  • 身しょう会として子ども達と一緒にパラスポーツができて本当に楽しかったです。低学年の子が一生懸命しているのを見ているのも楽しいし、高学年の子が強くて面白い試合ができました。とっても楽しかったです。
  • 子育てしてきた母親の立場からですと、バリアフリーは身障者のためばかりではなくて、子育てする時々で利用してきました。ベビーカーに優しいスロープ、おむつ替えの時利用した多目的トイレなど、小学生に成長した我が子を育てる中で身近にありとてもありがたかったと感謝しています。

児童館担当者の感想

  • 私たちにとっても初めてする競技ばかりでした。初めてだからこそ、レクリエーションではなくスポーツとして、やり方やルールもきちんと指導して頂きたいと思い、県障がい者スポーツ協会の指導員の方に指導してもらうことにしました。子ども達と共にパラスポーツをする前にきちんと職員間でルールを学ぶため3度ほど講習会を行いました。しかしいざ子ども達とパラスポーツを進めてみると、予想外の結果になることも多く、ルールブックに載っていない事例もたくさんありました。その都度、指導員の方に細かくお聞きし進めましたが、パラスポーツの資料の少なさも感じました。
  • パラスポーツを体験するにあたって大切にしたことは、パラスポーツを正しく教え楽しむことと、もう一つは疑似体験をすることでした。たとえば陸上の「片足固定短距離走」は義足などの代わりにお手製のサランラップ芯を使った装具で足を固定し走りました。その他ゲームレクリエーションで「足を使わずあざらしリレー」や「めかくしハイハイおにごっこ」などで身体の不自由さを体験しました。自分が元気に走り回れることがとても幸せなことなのだと、少しは感じてもらえたのではないかと思います。また、体の不自由な方はとても大変な思いをして生活しているのだと、考えるキッカケにはなったのではないでしょうか。
  • バリアフリー調査においては、初めに身障者の方の実体験を聞いたことで、より身近なものとして具体的に、また主体的に調べ進めていくことができました。大石田町のバリアフリーが進んでないことにショックを受けたことで、他の市町村でのバリアフリーに目が行く良い結果につながったようでした。身障者の方から「車椅子マークに駐車しないようおうちの人に言ってくれただけでもいいよ」と言われ、「それぐらいならできる」とすぐにお家でお話ししたという低学年の子もいて、しっかりと子ども達の心に届いたなと感じました。これからの生活の上で、関心が薄れることなく思いやりを待った人として成長するために、継続こそが大事なのだろうと思います。
  • 私たちが目指す「すべての人が暮らしやすい町づくり」に向けて、これからも一歩ずつ進めていけたらなと思います。