NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2019

南風原町立兼城児童館

沖縄県島尻郡南風原町

南風原小学校区防災・防犯マッププロジェクト

タイトル 南風原小学校区防災・防犯マッププロジェクト
協力NPO NPO法人 沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい
その他協力者
  • 南風原町役場(総務課・保険福祉課・こども課など)
  • 兼城公民館
  • 一般社団法人 カナカナ
  • 学校コーディネーター
事業期間 2019年4月~2020年2月
開催場所 兼城児童館及び南風原小校区内地域
目的
  • 「防災・防犯」をテーマに児童館・地域がつながり協働関係を作る。
  • 児童館職員・利用者(子ども・保護者)・地域住民とともにNPOを通して「防災・防犯」について学び、皆で考える事で防災・防犯意識を高める機会とする。また、災害時に弱者になりうる孤立支援を念頭に防災・防犯マップを作成していく。
概要
  • 協働団体との会議
  • 子ども実行委員会立ち上げ
  • 防災・防犯についての学び(NPO団体・消防・警察・役場総務課)
  • 定期的な子ども実行委員会
  • 子ども、おとな会議
  • 地域探索、孤立支援者の確認(マップ作成に向け)
  • 公民館所有の備蓄食を教材とし、必要性や家庭での備蓄について考える。
  • 備蓄食を食べてみる。炊き出し
  • 夏休み終了前に一時振り返り。新たな課題点など確認。
  • 児童館・公民館での避難訓練
  • 児童館・公民館での消防訓練
  • エリア事のマップ作成
  • 全体図のマップ作成
  • マップ発表
  • ふりかえり、検証会議

南風原町立兼城児童館について

連絡先

住所 〒901-1111
沖縄県島尻郡南風原町字兼城84
電話番号 098-889-6114

レポート

当日の様子

5/18「講演会」公民館で実施

「防災ってなあに?」他人事ではなく自分事と捉えるキッカケ作りになればと思い、まず「災害」についての話や被災時にあったことなどの話を被災者の防災士の方に話してもらいました。また、今住んでいる地域の土地の形状から地震時などに予想されることを話してもらいました。スライドの写真をみながら子ども達にといかける場面もあり、こども自身が考え答えることができました。

当日は講演会の前に公民館備蓄のアルファー米(1箱50食分)を提供してもらい、実際に箱の中に何が入っているのか見たあと、水をいれ、ごはんの仕込みを保護者にやってもらいみんなで見ました。講演後はビニール袋にごはんを入れ、好きなふりかけをかけて自分で丸め、おにぎりをつくり試食しました。

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*地域新聞でも紹介されました(8/12日付け)
琉球新報ローカルblog
*役場の「広報はえばる7月号」に掲載されました。

5/27「防災でカレーランチ!」児童館で実施

公民館の備蓄アルファー米(1箱50食×4)と、役場総務課より災害食のカレーパック(200食)を提供してもらいました。まず、4グループに分かれてアルファー米の仕込みをしてもらい、出来上がるまで、総務課の防災担当者の話を聞きました。さらに、職員私物の防災グッズを見ながら、どんな時に使えるのかを問いかけたり、前年度の台風時に停電した時、困った事などを思い出して発表したりしました。保護者の方にも、カレーパックを湯煎で温めてもらい準備に協力をいていただきました。アルファ米が炊きあがった後は、みんなでカレーをおいしくいただきました。

*地域新聞でも紹介されました。(9/7日付け)

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6/15「大人会議」児童館で実施

現状の地域の状況や、参加された大人(保護者、児童・民生委員、防災士、老人会、地域・学校コーディネーター、学童職員など)が危惧している事や、気になる点(不審者、交通ルール、川の危険性と親しんでほしい、家庭でのしつけを学校へ依存、夜更かしなどなど)をあげてもらいました。そこで全員が感じたことは「子ども自身の危険を予知する力をつけてほしい」、「子ども自身が判断しないといけない」という事でした。地域を知るための「マップ作り」がやはり必要なのだという認識で、大人にできるサポートなどをまとめました。

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6/29「こども会議」公民館で実施

最初に、いままでの流れを説明し、防災士の方から安全マップの話をしてもらいました。その後、学童2か所を含め、児童館のこども達の5グループで安全マップ作りをしました。まず、小学校区の「こども110番の家」を訪問することにして、エリア決めをしました。大きな校区内の地図を準備して「こども110番の家」(30か所)をグループに分かれてシールではり、分布が見えるようにしました。さらに、質問したいことや尋ねてみたいことを話しあい、グループの紹介をしながら発表しました。

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7/17「安全・防犯講座」児童館で実施

与那原署の警察官を招いて交通ルールや不審者について話をしてもらいました。また、老人会の放課後パトロールされている方より気を付けてほしい事なども聞きました。

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8/17「マップ作り」公民館・児童館で実施

※午前:担当エリア地域ルートを散策後、みんなで昼食
午後:マップ作りと発表

天候不良の為、2回の延期を経ての実施でしたが、お盆後という事もあり参加者が減少し3グループでの実施となりました。

午前中は、各エリアと、エリアルート・ワークシートの説明を受け、シールの色分けとシールの示す内容を確認して出発!道中、気になるところの写真を撮りながら、各エリアの「こども110番の家」を訪問し、用意した質問をしました。

午後は児童館で、グループ別のマップを作りました。写真データを待っている間に、どんなマップを作成するのか防災士よりアドバイスを受け、みんなで相談して案をまとめました。写真データができあがると、トリノコ用紙に写真を貼りながらマップを完成させて、みんなの前でグループ発表をしました。

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*はえばる社協だより「ちむぐくる10月号」で紹介されました。

11/8「夜光プラバン作り」児童館で実施

暗い所で光るプラバンを活用してストラップ作り。作成中、暗い所や時にどんな事に気を付けたらいいのか話をしました。

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11/13「防災ロウソク作り」児童館で実施

作成中、ロウソクをつけるのはどんな時?と質問し、答えながらロウソクを使う時の注意点などの話を聞きました。ロウが冷めるまで時間がかかるため、できあがったロウソクは、後日持ち帰りとなりました。

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11/26「避難訓練」児童館で実施

いつもは子どもが下校後、来館している時間に行っていましたが、今回は子どもたちの来館時間が遅かったため、残念ながら大人のみの実施となりました。火事を想定し、発見、他職員への声かけ(誘導指導指示)、初期消火、火災ベルも作動させ、消防への通報、火災受信盤の復旧作業など一通り実施しました。その後水入り消火器のレクチャーをうけ、実際に全職員で使ってみました。

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12/9「野草教室」南風原文化センター及び黄金森フィールドで実施

エコセンターと共催で食べられる野草について講師より話を聞いたのち、近隣を散策して、食べられる野草を取ってみました。とってきた野草は種類別にわけ、どんな野草なのか説明してもらったのち、みんなで野草入りヒラヤーチー(沖縄風のお好み焼きのボリュームがない平焼き)を作り、おいしくいただきました。

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1/26(2020年)「防災グッズを知ろう!~100均で買ってみよう!」児童館及びイオン南風原のダイソー(100均)で実施

100均で購入できる防災グッズにどんな物があるのかをみんなで確認後、「児童館で1泊することになりました。どんなものが必要ですか?(停電・断水中)」という設定で、グループ毎に何が必要かを相談して書き出しました。その後、実際に100均一で商品を探して購入し、児童館に持ち帰ってグループに分かれて発表しました。最後に、防災士よりまとめのコメントを受け、用途の説明や避難所での話を聞きました。

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2/7「ポット苗植え」児童館で実施 *玉ねぎの「Qちゃん」を植える。

防災時に野菜など手に入りにくいことをふまえ、ペットボトルに野菜を植えて、手軽に育てることを知る機会としました。自分達の住んでいる沖縄では、土の下にもサンゴがあると講師より説明してもらい、実際のサンゴの種類や写真をみることでサンゴを身近に感じる事ができました。土を触ることで癒されるのはなぜか?いう質問もあり、こども達がのびのびと答えていました。

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2/20 大人講座「普段の食アレンジで防災!」児童館で実施

社会福協議会の子育てサロンと共催で実施しました。乳幼児親子を対象としていましたが、新型コロナウイルスの影響により子育てサロンが中止となり、講師・職員の学習会となりました。家庭にあると思われる食材や乾物・缶詰を使い、防災時に役立つ調理法や衛生面で気をつけることなどの話や、離乳食への活用を兼ねた調理を行い、とても勉強になりました。

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2/22「防災スタンプラリー!」児童館で実施

コロナウイルスの影響で、大きな呼びかけはできませんでしたが、まとめのプログラムとして、今年度実施した内容の展示と、スタンプラリー、段ボールハウスづくりを行いました。スタンプラリーでは、防災カードゲームや、紙ナプキンを使ったマスク作り、防災士の方と話す、ふせんにコメント(感想)を書き出すなどを行いました。また、ダンボールハウスつくりも行い、個々の個性が発揮された形ができました。最後に、今年度をふりかえり、やってきたことを防災士からまとめてもらいました。

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よかったこと

児童館からの呼びかけで地域の方や団体・関係機関に関心をもってもらい、話しをすることで顔のつながりができてきました。また、他団体での防災イベントも増えていて繋がっていける関係の基盤ができてきたと感じています。児童館を知ってもらうこともでき、認知度もあがってきたと感じています。

子どもたちの声

  • マップ作りで「こども110番の家」の人に質問したり、発表したりする時はとても緊張したけど、できたので良かった。
  • 備蓄食が町民の20人に1人分しかないと聞いてびっくりした。
  • 夜光プラバンはもっと作ってみたい!光るかどうか試してみたい。
  • サンゴがたくさんあってビックリしたし種類がいっぱいあるって知らなかった。ふかふかのベッド(土)に植えたから大きくなると思う。
  • ダンボールハウスは窓を作り、「べんりなイス」と名前をつけたイスも完成してよかった。
  • 防災カードゲームがおもしろかった。もっとやりたい。
  • ゲームやマスク作りが役に立つと思いました。
  • 逃げる場所をきめていてすばやく避難する。
  • カードゲームで火事の時にけむりをすわないと書かれてたから、ちゃんと守ろうと思いました。
  • 「なまずの学校」が楽しかった。

協力NPOの感想

「講演会」では子ども達の素直な感想、大人会議では様々な意見がきかれ、とても興味深かった。マップ作りでは、ヒントを出すと子ども達の気づきが多くあったし、防災グッズ購入では、どんな時に使えるのか、また、これよりはこれがいいのか色々考えているのがわかり、面白かった。カード-ゲームを一緒にやった時、カードに書かれていることを読み上げる事で、他のコメントが飛び出すことがあり、興味深かった。南風原町内の他団体から声もかかることが増え、県内の他講演でも兼城児童館の取組を紹介したりしました。次年度もできるといいですね。

その他協力者の感想

  • 子ども達の頑張りや職員の皆さんの頑張りは素晴らしいと思います。とてもよかったです。一緒にできて楽しかったです。次年度協力できることがあれば声をかけてくださいね。
  • 町内の他児童館でも取組が広がっていくといいですね。
  • 今回、なかなか参加できなかったけど、一緒にできる内容の話もできたので次回やってみましょう。楽しみにしています。
  • 児童館の紹介で防災士の方と繋がりがもてました。今後もできることは声をかけてください。

児童館担当者の感想

今回初めての試みで多々右往左往しましたが、サポートしてくれる方の助言や繋がったらいいと思われる人や団体の紹介、イベント情報の提供など、人と人の繋がりや広がりが出来たと思っています。本当にありがたい事で感謝しております。地域の学童の巻き込みができた事は新たな可能性もあり、とてもよかったです。児童館の子ども達は毎日来館するわけではないので、予定があわない事もあり、参加できない事で残念がる子どももいました。また天候不良(主に台風接近など)も続き、実施が危うい事もあり悩まされました。その間の関係各所への連絡や文書配布・問い合わせ対応など他職員も一丸となり対応しました。

後半は小さなイベントを実施することで「じぶんごと」と捉える機会や、考えるキッカケ作りにしていけたと思っております。

今回の取組を通して児童館からの発信で繋がりをもった関係機関もあり、子どもを取り巻く環境が少しでもよくなると共に今後につながっていけるのがとても嬉しく思っております。

協力していただいた皆さますべてに感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。