背景

 2021年3月に世界経済フォーラムが各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数を公表しましたが、日本は120位とジェンダーイクオリティが進んでいません。この指数は「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの分野の数値によるものですが、中でも「政治」「経済」はとりわけ不平等であることを示しています。特に「経済」の面では2016年に「女性活躍推進法」が施行されたにもかかわらず、女性の非正規就労割合は56%と男性の22.8%と比較してもその差は大きく、女性の貧困率が高いと言えます。
 また、増加傾向にある母子世帯は123万世帯を超え、その就業者81%の半数が非正規雇用であり、世帯収入の低さは大きな課題となっています。さらに、COVID-19(新型コロナウイルス)蔓延の社会において、女性の非正規雇用者の失業問題から母子世帯の貧困率の上昇が懸念されています。そこで、そんな生きづらさを抱える女性たちが健康かつ安心して「いのち」をつなぎ、新たな一歩を踏み出せるように支援する、民間組織の取り組みを応援することが大切だと考えています。

趣旨

 本プログラムは、助けを求められない、助けを求める声があげられない、そんな生きづらさを抱える女性を守り、安心で健康的な生活を取り戻すことを目的として、日常的かつ継続的にパーソナル支援を行う団体を対象に助成するものです。
 COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大をきっかけに可視化された、女性が抱える社会問題の解決に取り組むパーソナル支援団体を応援することで、女性やその子どもたちが、安心で健康的な生活が送れるよう、武田薬品工業株式会社の支援を受けて、日本NPOセンターが取り組むものです。
また、本助成による成果が各地で同様の活動に取り組む団体にも共有され、全国のモデルとして広がることも期待して応援するものです。

助成の対象となる取り組み

下記の取り組みのいずれか、もしくは複数に該当する事業を助成対象とします。
①生きづらさを抱える女性の社会的問題の解決に取り組む事業
②シングルマザーの自立支援や子どもの支援に取り組む事業
③女性に対する暴力等の未然防止や保護、自立支援に取り組む事業
④他団体との連携により社会的問題を抱える女性及び子どもの課題解決に取り組む事業
⑤その他、生きづらさを抱える女性への取り組みとして認められる事業

助成の対象となる団体

下記の条件を満たす団体を助成対象とします。
・民間の非営利組織であること。(法人格の有無や種類は問いません)
・団体設立後、3年以上の活動実績を有していること。
・団体の定款(会則)、事業報告書、会計報告書を有しており提出できること。
・NPO法人会計基準もしくはそれに準じた会計報告を実施している団体であること。
・活動の目的や内容が特定の政治・宗教に偏らず、反社会的勢力とは一切関わっていないこと。
※適用法令・医薬品業界内ルール・武田薬品工業株式会社の社内規程などに照らして不適格と判断される場合や、 武田薬品工業株式会社のビジネスへ有利な影響をもたらす可能性があると判断される場合には、助成対象とはなりません。この点、予めご承知おきください。

選考方法

【選考方法】
 外部有識者等で構成される選考委員会において選考を行い決定します。

【選考基準】
下記の点を基準として総合的に判断し選考します。
⑴応募内容が「助成の趣旨」および「助成の対象となる事業」に合致している。
⑵事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっている。
⑶連携・協働することによって、解決できる課題に取り組んでいる。
⑷助成終了後も活動が継続されるか、成果の波及により地域の課題解決につながる見込みがある。
⑸応募内容が、以下のいずれかの点で高く評価される。
・先駆性:創造性に富み、チャレンジ性がある。
・課題解決性:生きづらさを抱える女性が抱える今日的課題の解決につながる。
・新規・発展性:これまでの実績を踏まえ新しく展開、発展し、他のモデルとなる事業である。

問合せ先(助成事務局)

〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル245

認定特定非営利活動法人日本NPOセンター「タケダ・女性のライフサポート助成プログラム」事務局

w-life-support@jnpoc.ne.jp