●日時:11月27日(2日目)17:45-18:30
●企画運営:市民セクター全国会議2021実行委員会
●登壇者
「変容する社会と市民活動の広がり」を軸に、市民セクターに対する期待について、意見を伺いました。冒頭で2日間の振り返りとして、田尻から「新型コロナウイルスの拡大で新しい課題も生じた一方、新たな可能性も出てきた。地域からセクターを超えた関係づくり、その中で変容する社会と市民社会の担い手についての議論をしていきましょう」とあいさつがありました。
まず二宮さんと田和さんがともに挙げたのは、世界的に持続可能性への危機感が広がる中でのセクターを超えた連携の大切さです。
二宮さんは「企業は今一度資本主義のあり方を見直し、SDGsの描く世界の実現を目指している。持続可能な社会に向けてNPOとの連携は増えているし、企業とは異なる価値観で動くNPOとの対話や協働は一層重要になっている」とし、田和さんは「豊かさや幸福感を高めて社会を成長させようとする中で、社会的課題解決を軸に人が集まり連携し、地域を超えた繋がりができる。現場と課題を把握している市民セクターが、課題解決の場で機能をしっかり果たすことが求められる」と話しました。
次に市民セクターに対する期待とともに、課題についても言及がありました。
二宮さんは、「連携の前にビジョンやミッションを明確化し、ステークホルダーと共有して共感を得る必要がある。目標到達までの道筋を明らかにすることで、誰と連携する必要があるのか見えてくるはずだ」と指摘。田和さんは、「日本には市民団体が少なく、さらにコロナ禍で閉塞感があふれた。多くの国民が共助や共生に参加できていないのではないか。市民セクターは共助や共生に携わる人だけのコミュニティであってはだめで、多様な人をどんどん巻き込むセクターになってほしい」と話しました。
以上の意見をふまえ、二宮さんは「市民が地域の課題解決に自分事として取り組むためには、NPOが多様な市民参画の場を創造し、あらゆるステークホルダーが連携することが重要」、田和さんは「行政の手の届かないところに市民セクターが入り、現場の声を行政との間で交わして国の制度をより良く変えてほしい。変化と行動の主役はみなさんです」とまとめました。
クロージングは、新たな社会をつくるために、市民セクターは主役かつ先駆者として地域やセクターを超えて繋がっていこうとの言葉で締めくくられました。
(報告:福島未来さん)